文献詳細
文献概要
今月の主題 蛋白質の活性と蛋白量 技術解説・血中酵素測定
アミラーゼ
著者: 小川道雄1
所属機関: 1熊本大学医学部外科学第2講座
ページ範囲:P.947 - P.950
文献購入ページに移動 急性膵炎発症後の急速な血中アミラーゼ活性の低下が,プロテアーゼによるアミラーゼ蛋白の分解による酵素活性の失活ではないかと考えて,アミラーゼの免疫学的測定を確立した.筆者らの系では膵および唾液線アミラーゼ・アイソザイムを分別定量することは不可能であったが,その後のモノクローナル抗体技術の発展によって,現在では膵および唾液線アミラーゼ・アイソザイムを分別することが可能となった.ただ酵素活性の失活は同時に免疫活性の失活を伴うことが多く,初めの命題にはまだ解答が得られていない.酵素活性として測定しうるアミラーゼについて,その蛋白量も併行して測定することにより,両者の解離から病態を明らかにするという新しい研究が,今後進められるであろう.
掲載誌情報