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今月の主題 蛋白質の活性と蛋白量 話題
アルギナーゼ
著者: 池本正生1 恒川昭二2 戸谷誠之3
所属機関: 1京都大学医療技術短期大学部衛生技術学科 2関西電力病院外科 3昭和女子大学大学院生活機構研究科
ページ範囲:P.997 - P.1001
文献購入ページに移動ヒトを含む哺乳動物において,アルギナーゼは主に肝臓(アルギナーゼ-Ⅰ)1~9)に局在し尿素回路を構成する酵素の1つであり,アミノ酸代謝の最終段階,すなわちL-アルギニンを加水分解し尿素とL-オルニチンを生成する反応を触媒する酵素である.本酵素は43726の分子量を有する塩基性蛋白質(pI=10.5)であり,肝細胞の細胞質に単量体として発現している10,11).そのほか,ヒト赤血球中12~14)および腎臓(アルギナーゼ-Ⅱ)15)にもその存在が確認されているが,肝臓と腎臓のアルギナーゼはアミノ酸配列が明らかに違っており,細胞内における生理的役割が異なっていると考えられる.一方,白血球内には肝アルギナーゼ型のmRNAは発現していないが,最近の研究において,肝型アルギナーゼが白血球細胞膜表面に結合することを見いだした.
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