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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻9号

2001年09月発行

文献概要

トピックス

SEREX法による新しい癌抗原の単離およびCT抗原の腫瘍マーカーとしての意義

著者: 小野俊朗1 中山睿一1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科免疫学

ページ範囲:P.1002 - P.1005

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1.はじめに
 1991年,BoonらによりcDNA発現クローニング法を用いて癌特異的細胞傷害性T細胞(CTL)が認識する癌抗原が同定された1).それ以来,多数のCTL認識抗原が同定されてきたが,そのほとんどは悪性黒色腫に見いだされたものである2).このような癌抗原の解析には,CTL株と標的となる培養癌細胞株が必要であり,悪性黒色腫以外の腫瘍ではそのいずれの培養株も作製は容易ではない.1995年,Pfreundschuhとその共同研究者は癌患者血清を用いて癌細胞由来のcDNAライブラリーをスクリーニングしてIgG抗体認識癌抗原を同定するSEREX(serological identification of antigens by recombinant expression cloning)法を開発した3).SEREX法にはCTL株,培養癌細胞株ともに必要なく,癌組織と患者血清があればよい.そのため,この方法はほとんどすべての癌に応用可能であり,現在さまざまな癌について抗原の単離,同定が進んでいる.現在1,500を超える癌抗原が同定されており,これらは国際的にSEREXデータベース上に登録されている.本稿ではSEREX法の概略とこれにより同定された抗原とその分類,そして特に癌・精巣(cancer/testis;CT)抗原についてその臨床的意義について紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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