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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査46巻1号

2002年01月発行

雑誌目次

今月の主題 テーラーメイド医療と臨床検査

巻頭言

テーラーメイド医療と臨床検査

菅野 剛史

pp.7-8

 ヒトのゲノム解析が進み,いくつかの染色体では,その全構造が確定されてきている.そして,これらのゲノムシークエンスをどのように利用するかに次の焦点が当てられつつある.21世紀を迎え,検査の領域に大きな変革がもたらされるとすれば,この辺りに焦点が当てられるに違いない.そこで,今月の主題は「テーラーメイド医療と臨床検査」である.

 臨床検査の領域で「テーラーメイド」という言葉は聞き慣れない言葉であるかも知れない.何のことはない既製服ではなく,身にあったオーダーメイドのスーツのことである.そして,「テーラーメイド医療」とは患者それぞれの体質,生活環境を意識した「その患者に対する独自の」医療を実践することである.もちろんEBM (事実に立脚した医療)がその背景にあることは重要である.そして,何が「その患者独自のもの」を見いだすための道具となるかを考えるに,検査以外に該当するものはない.ここで,検査の新しい展開が要求されることになる.今月の主題はこのような背景から設定された.

総説

テーラーメイド医療と薬理ゲノミクス/インフォマティクス

田中 利男

pp.9-19

 2001年2月にヒトゲノムドラフトシークエンスが出版され,薬理ゲノミクスの展開も認められた。これら一連の変化は、分子生物学からゲノムサイエンスへのパラダイムシフトを起こした。それまで分子生物学を基盤にした分子薬理学は、薬理ゲノミクスになり薬物の作用機構をゲノムワイドな理解が可能となった。さらに、薬物応答の個体差を科学として解析されつつある。特に、対象疾患が単一遺伝子疾患から多因子疾患となった現在、薬理ゲノミクスの成立は、各個人に至適化されたテラーメイド医療を実現することになる。

テーラーメイド医療と臨床検査

登 勉

pp.21-25

 テーラーメイド医療のための臨床検査は,遺伝子解析技術を駆使した遺伝子型の判定が中心になると予想される.これらの解析技術の開発は目覚ましい勢いで進められているが,臨床検査への応用という点では,多くの課題が残されている.臨床検査として保険収載されている遺伝子関連検査のほとんどは微生物遺伝子検査であり,ヒトゲノムを対象とした検査は1つである.臨床現場では,保険収載されていない多数のヒトゲノム関連遺伝子検査が実施されているが,標準化された検査法による精度管理がされていない.ヒトゲノムは一生変化しないので,これを検査することは生涯に一度切りである.したがって,検査項目の拡大の前に,標準化や精度管理に関する規約を定めることが重要であり,遺伝子検査の社会的,倫理的影響も考慮した法的整備が求められる.

遺伝子からみた高血圧の治療

杉本 研 , 勝谷 友宏 , 荻原 俊男

pp.26-30

 動脈硬化危険因子の代表である高血圧は多因子疾患であり,遺伝因子に環境因子が加わって発症する.特に遺伝因子から高血圧の治療を考えると,高血圧候補遺伝子の解析により個々の患者の遺伝子診断を行い,その診断をもとに遺伝子多型と降圧薬の効果との関連性を考慮した薬物治療を可能にすることが高血圧のテーラーメイド治療の最終目標である.さらに遺伝子治療による根本治療も考えられる.将来これらのことを可能にするために,世界規模で日々諸研究がなされている.

各論

CYPの遺伝子多型とその解析

中島 美紀

pp.31-37

 チトクロムP450(CYP)は肝臓に存在する主要な薬物代謝酵素であり,様々な医薬品の代謝を触媒している.CYPの遺伝子多型により酵素活性が低下または欠損し,そのCYPが代謝する医薬品の血中濃度が異常に上昇することで副作用が生じたり,または薬効を有する代謝物が生成しないために薬効が得られないことがあり,CYPの遺伝子多型は薬物治療において重要な問題である.本稿では,CYPの遺伝子多型とその臨床における意義を分子種ごとにわかりやすく解説する.

遺伝子解析でのDNAチップの位置づけ―in-house cDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析

関 直彦 , 吉川 勉 , 加藤 真樹 , 大塚 基之

pp.38-45

DNAマイクロアレイ(DNAチップ)は,ポストゲノムシークエンス時代において,包括的な遺伝子発現モニタリングやゲノムの変異,多型性の検出を可能にする重要なテクノロジーとして注目されている.最近,DNAマイクロアレイを用いて病型診断ができることを報告した論文や,抗癌剤の選択方法を予測する論文が発表され,この技術が実際の医療に応用できることが示されつつある.ここではわれわれが行っているcDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析プロジェクトについて紹介するとともに,解析例についてデータを示したい.〔臨床検査46:38-45,2002〕

アドレナリン受容体の遺伝子多型と薬物反応の個人差

平澤 明 , 辻本 豪三

pp.46-52

 アドレナリン受容体は最も古くから解析の進んだ典型的な7回膜貫通型の受容体であり,9種類の遺伝子が知られている.各サブタイプの機能は現在も研究が行われている段階である一方,受容体の多型に関しても解析が進み,受容体機能に関与する変異も見いだされている.このような情報が統合されながら,受容体の生理機能,それに作用する薬物作川,さらに個人差との対応付けが進められることになろう.

向精神薬の薬物反応性と遺伝子多型

三原 一雄

pp.53-57

 向精神薬の薬物反応性にかかわる遺伝的因子に薬物動態学的および薬力学的遺伝子変異がある.薬物動態学的遺伝子変異に代表されるものは,ほとんどの抗精神病薬,抗うつ薬の薬物代謝にかかわるcytochrome P 4502 D 6(CYP 2 D 6)の遺伝子多型である.CYP 2 D 6のフェノタイピングと治療濃度域の存在するいくつかの向精神薬の定常状態血漿濃度(Css)とは有意な関係があるものの,ジェノタイピングとCssとの関連は限られており,治療効果との関連についての報告は乏しい.薬力学的遺伝子変異として,ドーパミン,セロトニン受容体を中心とした薬物の受容体遺伝子変異が挙げられる.治療効果との有意な関連を検討した報告はあるものの追認された関係は限られている.これらの遺伝子多型が,個別の患者について薬物反応を予測するための客観的・生物学的指標として臨床的意義を持つかどうかはまだ明らかではない.

話題

Helicobacter pylori除菌と遺伝子多型の解析

古田 隆久 , 白井 直人 , 杉本 光繁

pp.58-62

1.はじめに

 現在,Hblicobacter pyloriの除菌療法はPPIであるランソプラゾール(LPZ)60mgとCAM(400 or 800mg),アモキシシリン(AMPC)(1,500mg)の組み合わせの一週間投与が第一選択とされている.このPPIの代謝の個人差やCAMの耐性の有無が3剤PPI/CAM/AMPC療法の成否にかかわる因子であることが明らかにされてきた1~4)そこで,これらについて概説し,初回治療の除菌率向上のための処方の個別化の可能性について述べることとする.

遺伝子多型と抗癌剤の選択

小澤 正吾

pp.63-67

1.はじめに

 昨今の個別化医療への取り組みをみるまでもなく,適切な制癌剤を適切な量投与するという患者個人個人に適した選択の意思決定がどのようにして行われなければならないかについて,本稿で考察する.制癌剤の投与には「選択毒性」の問題が常につきまとう.癌細胞の性質と,患者側の問題の両方を考慮しなければならない.

薬物の血中濃度モニタリングとテーラーメイド医療

森田 邦彦 , 山吉 康子 , 早川 智久 , 谷川原 祐介

pp.68-71

1.はじめに

 有効安全血中濃度域の狭い薬物を対象とする薬物血中濃度モニタリング(Therapeutic DrugMonitoring;TDM)がわが国の医療現場に導入されて20年が経過した.表1に示すように,現在,抗てんかん薬,強心配糖体,気管支拡張薬,抗不整脈薬,抗生物質,免疫抑制薬,抗悪性腫瘍薬など,その対象薬物は約40品目を数える.

 このTDMの導入によって,従来は勘と経験に頼って"さじ加減"で実施されてきたこれらの薬物の用量設定は,血中濃度という科学的根拠に基づく個々の患者に見合ったそれへと飛躍することになった.まさに今日,声高に叫ばれるようになったテーラーメイド医療の幕開けと言えよう.さらに近年,これらTDMデータの集積と歩調を合わせて,薬物の体内動態面や効果・副作用発現面での個人差を説明する因子として,cyto-chrome P 450(CYP)をはじめとする薬物代謝酵素やP-glycoprotein (P-gp)などの薬物輸送担体の遺伝子多型が注目され始めている(表1).

N-アセチル化転移酵素の多型と薬効

平塚 真弘 , 水柿 道直 , 山添 康

pp.72-76

1.N-アセチル化転移酵素(N-アセチルトランスフェラーゼ;NAT)の多型性

 N-アセチル化転移酵素N-アセチルトランスフェラーゼ;NAT)活性の個人差が遺伝的に支配されているということは,1940~1950年代にすでに明らかにされていた.これは抗結核薬イソニアジド(INH)のアセチル化体尿中排泄の個人差を検討することにより判明した.INH服用後の血中濃度も二峰性の分布を示し,代謝が速いrapid acetylator(RA)と代謝の遅いslowacetylator(SA)が認められた.その後の遺伝子工学の発達により,この表現型はN―アセチルトランスフェラーゼ2(NAT 2)の遺伝子型と完全に一致することが明らかになった.また,詳細な分析の結果,一方のアレルが野生型で,もう一方のアレルが変異型のヘテロ接合体の代謝能はRAとSAの中間型(intermediate acetylator;IA)となり三峰性を示すことが判明した.INHのほかにスルファメサジン,ヒドララジン,プロカインアミド,ジアフェニルスルホンなどのNAT 2の基質薬物に関しても,同様な多型性が存在することがわかっている.さらにNAT 2だけでなく,ρ-アミノ安息香酸やρ-アミノサリチル酸の代謝酵素であるN-アセチルトランスフェラーゼ1(NAT 1)も遺伝的多型性を示すことが最近明らかにされている.

今月の表紙 電気泳動異常パターンの解析シリーズ・1

セルロースアセテート膜と反応するM蛋白

藤田 清貴

pp.4-6

 血清蛋白は各種疾患および病態においてさまざまな特徴的な変化を示す.一般に,量的に多いアルブミンや免疫グロブリンが変動しない限り,総蛋白量は異常値を示さない.そのため血清蛋白分画検査を行い,アルブミンおよびα1,α2,β,γの各グロブリンの分画比とデンシトメトリーによる峰の形状によって病態を推測している.日常の血清蛋白分画検査は,セルロースアセテート膜(セ・ア膜)電気泳動法によって行われているが,ときとして判断に迷うような異常パターンに遭遇することがある.

 図1に原発性マクログロブリン血症例1)のセ・ア膜電気泳動パターンを示す.Separax膜を支持体とした場合,原血清では塗布点のα1からβ位に残る幅広い異常蛋白帯が観察された.しかし,電気浸透現象がほとんどないSeparax-SP膜ではそのような異常蛋白帯は観察されず,midからslow-γ位にかけて明瞭なM蛋白帯が検出された.免疫固定電気泳動により,そのM蛋白は1gM-μ型と同定された.

コーヒーブレイク

みなと横浜

屋形 稔

pp.30

 2001年の8月末,臨床検査医学会総会は臨床化学会と連合して横浜のパシフィコ会議センターで開催された.21世紀へのチャレンジというスローガンで新しい時代への覚悟を思わせるものであった.

 第一日目から印象深い2つの講演を聴いた.1っは本会が発足以来50周年に当たる節目であることから,創立50周年記念式典が行われ,各界代表からの祝辞があった.そのなかで日本医学会長の森 亘氏が医学会認定の学会は100を数えるが,本学会は70番前後に認められた学会で極めてアクティビティの高い学会と考えられている.今後も正しい学問姿勢を保つことを要望したいというものであった.医学会認定までの本会会員や先人の苦労は知る人ぞ知るである.

急性白血病を克服した患者とナースの語らい

寺田 秀夫

pp.111-112

 近年わが国における成人急性骨髄性白血病に対する化学療法の治療効果は向上し,寛解率は約75%,無病生存率も約35%と良好な成績が得られ,したがって,本人に対する病名の告知も一般化しつつある.しかしここに紹介する症例はそれ以前の,治療成績もまだ悪く,病名告知もほとんど行われなかったころの私の経験した数少ない寛治例の患者さんの一人であり,ナースは私が看護大学在職中の修士課程の指導学生(過去に臨床経験の豊富な方)である.

 患者さんと直接に話をする機会のなかなか持てない技師の方に患者さんが病気を克服するまでの心の推移をお伝えしたいと思う.

研究

迅速診断の標本作製に最良な固定法の選定

浅沼 広子 , 東 恭悟 , 一宮 慎吾 , 佐藤 昌明

pp.77-81

 迅速組織診断は,近年では,従来に増して的確な組織診断が要求され,その重要性はますます増加する傾向にある1).そのため,従来のHE染色に加え,迅速診断の補助的染色として免疫組織化学染色を含めた各種特殊染色が必要になってきている.今回,われわれは,迅速診断という短時間に,HE染色および各種特殊染色すべてに対応できる同定液について検討を行った.

シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・13

骨髄移植前における組織適合性検査

上村 智彦 , 原田 実根

pp.83-89

はじめに

 同種骨髄移植は造血幹細胞をドナー骨髄から採取してレシピエント(患者)に輸注して生着させることで,重症再生不良性貧血などの造血不全患者に対しては造血能再生をもたらす治療法であり,白血病などの難治性造血器悪性腫瘍に対しては骨髄破壊的な移植前治療による強力な抗癌腫瘍効果および免疫治療効果が期待できる治癒的治療法である.同種骨髄移植に代表される同種造血幹細胞移植の症例数は年々増加しているが,それは適応疾患が拡大される一方,造血幹細胞を末梢血から採取して用いる同種未梢血幹細胞移植や,臍帯血から幹細胞を採取して使用する臍帯血移植など,移植術そのものも多様化していることが理由として挙げられる.歴史を振り返ると,現在の同種骨髄移植はThomasらを中心としたシアトルグループにより,レシピエントに対する致死的前治療,MTXによるGraft-versus-host disease(GVHD)予防,ドナーとレシピエントの組織適合性の一致という不可欠な3要素が確立されたことにより可能となった1,2).1958年にユーゴスラビアで起きた原子炉事故の被爆者に対する骨髄移植を契機に起こった第1次骨髄移植ブームでは,組織適合性を調べることもなく,またGVHD予防も行わないまま行われ,惨憺たる結果に終わった歴史を考慮すると,ドナーとレシピエントの組織適合性一致の必要性を明らかにし,同種骨髄移植の具体的方法を確立したThomasらの業績は計り知れない.

トピックス

尿中ジアセチルポリアミンと悪性腫瘍

平松 恭子 , 髙橋 慶一 , 杉本 雅幸 , 川喜田 正夫

pp.90-94

1.尿中ポリアミン

 ポリアミンというのは多数のアミノ基をもつ低分子量のアルキルアミンの総称である.ヒトの体内には4種類のポリアミンと,そのモノおよびジアセチル体がある(図1).このうち,アセチル化されていない遊離ポリアミンは主として細胞内に見出される分子種である.多価カチオンであるポリアミンは,核酸その他のアニオンとの相互作用を通じて蛋白質合成や核酸合成の過程に影響を与えることが知られているが,その生理的機能は多年にわたる研究にもかかわらずまだ十分には解明されていない.しかし,活発に増殖する組織にはポリアミンが多量に含まれているだけでなく,そのような組織ではポリアミン代謝が活発であり,また,細胞内レベルも精密に制御されていることから,ポリアミンは細胞増殖およびその制御の過程で重要な役割を果たす物質の一つであると考えられている1).このことはまた,ポリアミン合成の律速酵素であるオルニチンデカルボキシラーゼを過剰発現させることによってNIH3T3細胞の癌化が起こることによっても支持される2)

 細胞の中で役割を果たしたポリアミンは,アセチル体として細胞外に排出される.そのため,ヒトの尿中に排泄されるポリアミンの大部分はモノアセチル体で,遊離ポリアミンはごくわずかである.

ヘパリン起因性血小板減少症,そのパラドックスな病態

松尾 武文

pp.94-97

1.はじめに

 ヘパリンは日常臨床で広く使用されている抗凝固剤で,その副作用として出血はよく知られている。その第2の副作用としてのヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopeni-a;HIT)は欧米では古くから注目されているが,わが国では稀と誤解されているために注目されてはいない.

ヒ素中毒

大野 秀樹 , 鈴木 健二 , 木崎 節子 , 堀田 宣之 , 廣中 博見

pp.98-101

1.はじめに

 オゾン層の破壊をはじめ,酸性雨,温暖化,熱帯雨林の減少,砂漠化,海洋汚染など,環境汚染が地球規模で進行している.そのなかでも,10億人以上のヒトが安全な水を飲めないのは深刻な問題である.汚染された水によって年に200万人以上が命を落とす.半数は子どもである.例えば,水銀汚染は世界中に広がっている.筆者らはごく最近,アマゾン川流域(金採掘場下流)に軽症だが水俣病が発生していることを確認した1).水俣病はまだ終っていないのである.しかし,それ以上に重大な問題はヒ素中毒である.金鉱山での水銀の使用という人為的原因ではなく,地下水位低下による地下水のヒ素汚染という水文地質学的問題であるので,スケールがまったく異なる.西ベンガル(インド)では汚染人口が100万人以上,中毒者数が約20万人といわれ,すでに医学だけで対応できる段階を越えている.

 ここでは,筆者らの1人が開発した現地調査で簡便にごく短時間にヒ素を測定できる分析キットを紹介し,それを応用して世界的規模のヒ素汚染の実情を述べたい.

肺炎クラミジア感染と抗高脂血症剤の効果

林 純 , 澤山 泰典

pp.101-105

1.はじめに

 冠動脈疾患,すなわち,狭心症や心筋梗塞の原因は,冠動脈の粥状硬化による血管内腔の狭小化や粥状硬化巣にできる血栓であると考えられている.粥状硬化は血管の内膜にコレステロールや細胞外基質が蓄積する病変で,その原因として,高脂血症,糖尿病,高血圧症,喫煙などの危険因子の関与が知られている.しかし,近年これらの危険因子のみでは,必ずしも心血管イベントの発症を説明できないことが明らかとなり,粥状動脈硬化の成立には炎症が関与するとされるRoss1)の傷害反応仮説が一般に受け入れられるようになった.

 炎症を引き起こす新たな危険因子としては肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae;C.Pn)感染が,最近,最も注目されている.C.Pnは1989年に確立された第3のChlamydia種で,ヒトを宿主として伝搬する呼吸器感染症の起因菌であり,内皮細胞やマクロファージなどを宿主として細胞内にて増殖するグラム陰性桿菌である.

質疑応答 臨床科学

プロテオグリカンの解析

K生 , 芦刈―羽田 智子 , 木全 弘治

pp.107-110

 Q サンドイッチELISA法を用いて(血清中の)ヘパラン硫酸プロテオグリカンの測定方法についてご教示下さい.またコンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ヘパラン硫酸,それぞれの臨床的意義についてもご教示下さい.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

今月の特集1 中性脂肪の何が問題なのか
今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
今月の特集2 標準採血法アップデート

64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

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62巻12号(2018年12月発行)

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62巻11号(2018年11月発行)

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62巻9号(2018年9月発行)

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62巻5号(2018年5月発行)

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62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

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60巻12号(2016年11月発行)

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60巻11号(2016年10月発行)

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60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

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60巻5号(2016年5月発行)

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60巻4号(2016年4月発行)

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今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

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今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

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今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

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59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
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59巻5号(2015年5月発行)

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59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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