文献詳細
文献概要
トピックス
自己免疫性膵炎における血清IgG4値の測定の意義
著者: 神澤輝実1 江川直人1 雨宮こずえ1
所属機関: 1東京都立駒込病院内科
ページ範囲:P.1155 - P.1157
文献購入ページに移動Sjögren症候群などの自己免疫性疾患に,膵病変や膵炎症状がみられることは古くから知られていた.自己免疫の機序が疑われた膵炎の報告は,1961年のSarlesらによるchronic inflammatorysclerosis of the pancreasが始まりである1).わが国では,1992年に土岐ら2)が膵管がびまん性に狭細化像を示し,通常の慢性膵炎とは異なった病態を呈する特殊な膵の慢性炎症を膵管狭細型慢性膵炎と称して報告し,その後この狭細型膵炎の多くが自己免疫と関連があることがわかってきた.1995年Yoshidaら3)がautoimmune pan-creatitisの概念を発表し,その後自己免疫性膵炎の診断や病態に関して多くの研究がわが国でなされるようになった.自己免疫性膵炎は現在の膵疾患のトピックスであるといって過言でない.
Hamanoら4)は2001年に,自己免疫性膵炎患者の血清IgG4値が上昇することを報告した.本稿では,自己免疫性膵炎の疾患概念を説明し,血清IgG4値との関連性について述べる.
掲載誌情報