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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻10号

2002年10月発行

資料

薬物療法による影響であろうと考えられる高アンモニア血症を呈した1症例

著者: 山田満廣1 市村佳彦1 河村ゆき江1 南口隆男1 小味渕智雄1

所属機関: 1大阪赤十字病院臨床検査部臨床化学

ページ範囲:P.1177 - P.1181

文献概要

 2001年5月,急性リンパ性白血病患者において,薬物療法による副作用と考えられる高アンモニア血症を示した症例を報告した.この症例の検体を用いてアンモニア濃度を経時的に測定したところ,短時間内に著増することを確認した.治療に用いられた薬剤は,協和発酵工業(株)の抗悪性腫瘍酵素剤:ロイナーゼであり,その作用は腫瘍細胞が必須とするアスパラギンを加水分解することにより枯渇させ,腫瘍細胞の増殖を抑制するものである.このアスパラギンの加水分解作用によりアンモニアが生成するため,高アンモニア血症を招来したものと推測される.また,ロイナーゼの試験管内での添加実験により,急速にアンモニアが上昇することを確認した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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