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今月の表紙 電気泳動異常パターンの解析シリーズ・11
電気泳動によるCKアイソザイム分析IマクロCKタイプIの検出と同定
著者: 堀井康司1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
ページ範囲:P.1496 - P.1498
文献購入ページに移動 今回から2回はCK (クレアチンキナーゼ)アイソザイムについての話である.CKにはCK-MM,CK-MB,CK-BBの3つのアイソザイムがあり,その名のとおりMMはMサブユニットが2つ,BBはBサブユニットが2つ,MBはMとBのサブユニットから構成されている.骨格筋中のCKはほとんどがMMである.もしあなたが草野球でピツチャーをすると,しばらくして血清中のCKはびっくりするような高値になるはずである.しかしこの場合はMMなので心配しなくていい.しかしもしMBがある一定以上認められたら問題である.心筋中のCKは最も多いアイソザイムはMMであるが,MBの比率が高い.このため心筋がダメージを受けた場合,血清中にCK-MBが検出されることになり,この場合心筋梗塞が疑われるからである.またBBは脳や平滑筋中に多く,特殊な疾患や病態で高値となるが,頻度が少なく重要度は低い.
図1に電気泳動で検出されるCK活性について蛋白分画との関係をシェーマで示した.アルブミン(Alb)より陽極側にBB,α2位にMB,γ位にMMと検出される3つのアイソザイムは易動度が大きく異なるため簡単に分離することができる.しかしときに図中①,②で示した異常な活性を認めることがあり,判別に問題が生じることがある.
図1に電気泳動で検出されるCK活性について蛋白分画との関係をシェーマで示した.アルブミン(Alb)より陽極側にBB,α2位にMB,γ位にMMと検出される3つのアイソザイムは易動度が大きく異なるため簡単に分離することができる.しかしときに図中①,②で示した異常な活性を認めることがあり,判別に問題が生じることがある.
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