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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻12号

2002年11月発行

文献概要

今月の主題 プリオン病とその診断 技術解説

プリオンの検出技術

著者: 堀内基広1

所属機関: 1帯広畜産大学・原虫病研究センター/獣医公衆衛生学教室

ページ範囲:P.1545 - P.1551

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 プリオンという言葉が提唱されてから20年が経過した.現在では,クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD),牛海綿状脳症(BSE),ヒツジのスクレイピーなどの伝達性海綿状脳症(プリオン病)の病原体を示す単語として"プリオン"が用いられている.したがって,プリオンの検出とは,プリオン病の病原体を検出することである.ウイルスや細菌などの病原体の検出には,病原体を生物学的に検出する方法に加え,その構成蛋白質や核酸を検出することで病原体の存在を明らかにできる.あるいは,宿主の免疫応答により,病原体が感染した痕跡をとらえることもできる.プリオンの検出も考え方は同じである.しかし,培養細胞で増殖しないこと,プリオン特異的な核酸がないこと,病原体に対する免疫応答がないことなどが,プリオン検出の障壁となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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