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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻12号

2002年11月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・23

粘膜局所防御機能の評価

著者: 日比紀文1 一松収1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.1559 - P.1566

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はじめに
 われわれのからだは,皮膚と粘膜で外界と接している.われわれの外側を覆っている皮膚は,びっしりと数層にわたって敷き詰められた上皮細胞や皮脂で,外界からの異物の侵入を防いだり,水分の蒸発を防ぎ,強固なバリアを形成している.一方,鼻腔,咽頭,消化管,呼吸器,泌尿・生殖器は,粘膜という一層のバリアを介して,からだの内側で外界と接している.これらの粘膜面の表面積は,成人では400m2であり,皮膚表面積の200倍以上になり,その広さは,テニスコートの1.5倍にも及ぶ.そして,この粘膜のうちの80%以上を占めているのが,腸粘膜である.
 腸粘膜は,皮膚やほかの粘膜と同様に常に外来抗原に暴露されている.一方,消化された栄養分を取り込まなければならない.すなわち,食餌抗原や自己抗原,常在細菌に対して過剰に反応することなく,ときとして侵入してくる細菌やウイルス,毒素などの病原体から生体を防御すべく,腸粘膜には消化管関連リンパ組織(gut associated lymphoid tissue;GALT)と呼ばれる特殊な免疫機構が発達している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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