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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻3号

2002年03月発行

文献概要

今月の主題 HBV・HCV検査法の新しい動向―標準化に向けて 話題

HBV抗原・抗体の保有状況

著者: 青木芳和1

所属機関: 1神奈川県予防医学協会・理事/検査第一部

ページ範囲:P.281 - P.284

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1.はじめに
 B型肝炎ウイルス(HBV)保有者には肝疾患で通院または入院治療を受けている患者集団と,自覚症状のないまま健常者として社会生活を送っている無症候性HBV保有者(HBVキャリア)集団とがある.前者については慢性肝疾患患者登録制度の整備されていないわが国ではその実態を把握することは非常に困難である.一方,日本人のHBVキャリア率はおよそ1%強,150万人程度といわれている1).しかし,全国11か所の血液センターにおける初回供血者約15万人の資料の解析では,日本における20~64歳の健常者集団に潜在するHBVキャリア数は約75万人と推定されている2).これは65歳以上のHBVキャリアを除外していることと,肝炎を発症し,通院または入院中のB型慢性肝炎患者も除外してあるためと考えられる.
 HBVキャリアの原因となる感染は2~3歳までの感染で,それ以後に感染してキャリアになるのは稀であるとされている1).また,現在30歳以上の世代では母子感染のほかに不潔な医療行為などによる水平感染もみられキャリア率は1~3%といわれている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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