文献概要
1.HCVコア抗原(コア蛋白)
C型肝炎ウイルス(HCV)は,構造蛋白であるコア,E1,E2,非構造蛋白であるNS2,3,4,5蛋白を5'側から順にコードする一本鎖Positive RNAをゲノムとするRNAウイルスである.ウイルスの外殻はE1およびE2の2種の糖蛋白によって構成されるエンベロープに被覆され,その内側に1組のゲノムを包む形でヌクレオカプシドが存在する.
NS2以下は,酵素などウイルスの増殖に必要な蛋白をコードするが,HCV粒子中には存在しないことからHCV抗原検査のターゲット蛋白としてはエンベロープかコアのいずれかが想定される.しかしながらエンベロープ蛋白は超可変領域(HVR)に代表されるように免疫システムからのエスケープ機構にかかわることが知られており,アミノ酸配列の変異が著しいという特徴をもつ.さらにEl/E2の複合体を形成していること,エンベロープ領域の有効抗原が主として糖鎖抗原であることなどから,ターゲット蛋白としては取り扱いが困難であると予想される.一方,コア蛋白はアミノ酸配列の変異が少なくgenotype間においてもよく保存され,抗原性も高いことが知られている.したがって,現在開発されているHCVの蛋白検出系にはコア蛋白をターゲットとしたシステムが用いられている.
掲載誌情報