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今月の主題 HBV・HCV検査法の新しい動向―標準化に向けて 話題
インターフェロン効果の感受性―患者側肝臓状態のDNAチップによる解析
著者: 伊藤哲1 窪田規一1
所属機関: 1(株)ジェー・ジー・エス研究開発部
ページ範囲:P.291 - P.297
文献購入ページに移動C型肝炎ウイルス感染は慢性化を引き起こしやすく,肝硬変からさらには肝臓癌へと進展する重篤な疾患を生じるとして知られており,さらに悪いことにはわが国の感染者の数は200万人以上という数字が報告されている.患者自体にとっても医療機関・医療制度にとってもその対策上重大な問題である.インターフェロン(IFN)がこれまで知られている唯一の治療薬であったが,かなりの努力にもかかわらず,治療効果が認められた症例数はまだ満足の行くレベルではない.
これまでの研究結果から血清中のウイルス量とともにウイルス遺伝子側の情報(ウイルスゲノタイプ)でIFN効果予測が議論されてきたが,治療効果が期待できる症例として分類されるにもかかわらず期待している成績が得られない症例が多い1).そこで,患者が有している種々のホスト側の情報をもっと積極的に解析・応用することで,治療効果を高めたいとの視点から種々の臨床応用を目ざした研究が進められてきた2~7).さらにはホスト側究極の遺伝情報であるSNP(single nucleotide polymorphism)でIFN治療効果を議論できるとするデータも発表される8,9)に至っているが,まだまだ隠れている情報が存在すると期待されるところである.
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