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LAMP法―新しい遺伝子増幅技術

著者: 納富継宣1

所属機関: 1栄研化学株式会社DUGユニット技術開発部

ページ範囲:P.320 - P.323

1.はじめに
 遺伝子検査は既にウイルスや細菌の検出をはじめ,ヒトの遺伝子病の変異検出などに応用されている.遺伝子検査を実施するうえで最も重要なポイントは遺伝子の増幅である.polymerasechain reaction(PCR)法1)は現在最も広く普及している遺伝子増幅法であるが,反応にはサーマルサイクラーが必要であり,また,遺伝子検査に用いる場合,2つの領域の認識で反応を行うので特異性の保証が難しく,信頼性の確保のため,検出には別途プローブ等を用いた検出反応を行わなければならないなど工程数が多い.最近では増幅からブローブを用いた検出までをホモジニアスな系で行える方法もあるが2,3),高価な蛍光標識プローブ試薬ならびに検出装置が必要であり,安価で簡易であることが要求される分野には適していない.また,一定温度で行う遺伝子増幅法もいくつか考案および開発されてきたが4~6),これらの方法は,複数の酵素が必要であり,また特異性,簡易性,操作性においても大きな改善はないことから,PCR法の代替の域を出ていない.そこで,合成されたDNAの3'末端が常にループを形成して次のDNAの合成起点となるようプライマーの設計を工夫し,一定温度かつ,1種類の酵素で反応可能な,診断技術として特に重要視される特異性と増幅効率が高い新規遺伝子増幅法Loopmediated isothermal amplification(LAMP)法を考案した7)

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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