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今月の主題 再生医療と幹細胞 各論
ES細胞を利用した細胞移植
著者: 宮崎純一1
所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科幹細胞制御分野
ページ範囲:P.377 - P.383
文献購入ページに移動 胚幹細胞(embryonic stem cells;ES細胞)は,初期胚中の未分化細胞に由来するもので,体外でその未分化状態を維持したまま培養可能となった全能性幹細胞である.マウスES細胞は,invivoで受精卵とほぼ同様,すべての種類の細胞に分化できる全分化能を有しているが,この細胞のもつ重要な性質は,in vitroでの培養下でも,その条件を変えることにより分化能を引き出すことができる点である.1998年に,アメリカのグループが相次いでヒトES細胞の樹立を報告したことにより,ES細胞は,その細胞移植の材料としての有用性がクローズアップされることとなった.本稿では,ES細胞の移植医療の材料としての可能性について論じる.
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