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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻4号

2002年04月発行

文献概要

トピックス

動脈硬化症における可溶性FcγRIIIaの増加

著者: 桝田緑1 高橋伯夫1

所属機関: 1関西医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.441 - P.443

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1.はじめに
 IgGのFc部分に対するレセプタータイプⅢ(FcγRIII:CD16)には,NK細胞とマクロファージ(Mφ)に発現しているIIIa型(ⅢaNKとⅢa)と,好中球に発現しているⅢb型があり1,2)(図1),両者とも活性化によって細胞表面から放出され,可溶型(soluble FcγRⅢ;sFcγRⅢ)として血漿中に存在している3~8).FcγRⅢbにはNA1とNA2のアロタイプがあり9),FcγRIIIaとⅢaNKは修飾糖鎖が異なる6).一方,アテローム性動脈硬化症の初期病変では,Mφの血管内皮下での集積が認められ,さらに,内皮下組織Mφによる脂質の蓄積,泡沫細胞の形成と進行していく.実際,動脈硬化部位におけるFcγRⅢaの発現が報告されている10).そこで,FcγRⅢaに特異的なモノクローナル抗体(MKGR 14:IgM)を作製し,血漿中のsFcγRIIIaを測定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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