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今月の主題 筋疾患 話題
コラーゲンの異常による筋ジストロフィー―ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー
著者: 樋口逸郎1
所属機関: 1鹿児島大学医学部第三内科
ページ範囲:P.549 - P.553
文献購入ページに移動1.はじめに
近年,福山型,メロシン欠損型などの先天性筋ジストロフィーの病因解明が進んでいる.ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー(ウールリッヒ病)は生下時からの筋力低下,筋萎縮,近位関節の拘縮と遠位関節の過進展を特徴とする疾患であるが,1930年にドイツのウールリッヒが初めて報告1)して以来,症例数が少ないこともあり,遺伝子座も欠損蛋白もこれまでのところ不明であった.また,本症の独立性を疑問視する一部の研究者も存在するが,最近われわれはウールリッヒ病の病因と考えられるcollagen VIの蛋白欠損と遺伝子異常を明らかにし2,3),本症を一疾患単位として確立したので,自験例を中心に本症を概説したい.
近年,福山型,メロシン欠損型などの先天性筋ジストロフィーの病因解明が進んでいる.ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー(ウールリッヒ病)は生下時からの筋力低下,筋萎縮,近位関節の拘縮と遠位関節の過進展を特徴とする疾患であるが,1930年にドイツのウールリッヒが初めて報告1)して以来,症例数が少ないこともあり,遺伝子座も欠損蛋白もこれまでのところ不明であった.また,本症の独立性を疑問視する一部の研究者も存在するが,最近われわれはウールリッヒ病の病因と考えられるcollagen VIの蛋白欠損と遺伝子異常を明らかにし2,3),本症を一疾患単位として確立したので,自験例を中心に本症を概説したい.
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