文献詳細
文献概要
今月の主題 糖尿病 話題
糖尿病性腎症治療の最前線
著者: 羽田勝計1
所属機関: 1滋賀医科大学第三内科
ページ範囲:P.763 - P.768
文献購入ページに移動1.はじめに
近年,糖尿病性腎症に起因する慢性腎不全のために透析療法を導入される症例が急増しており,日本透析医学会の集計では,1998年に慢性腎炎を抜いて新規導入症例の原疾患の第一位となった.この傾向は継続しており,2000年には全導入症例(31,925例)中36.6%(11,685例)を占めるに至っている1).この現状を打破するためには,腎症を早期に診断し,まだ可逆性の時期に治療を開始することが重要である.腎症の治療法に関しては,これまでに多くのランダム化比較試験の成績が発表されており,いわゆるエビデンスに基づく治療が可能になってきたと考えられる.さらに最近,腎症のremission (緩解),regression (退縮)も生じ得ることが報告されている.そこで本稿では,これらの点に関し腎症治療の最前線を解説したい.
近年,糖尿病性腎症に起因する慢性腎不全のために透析療法を導入される症例が急増しており,日本透析医学会の集計では,1998年に慢性腎炎を抜いて新規導入症例の原疾患の第一位となった.この傾向は継続しており,2000年には全導入症例(31,925例)中36.6%(11,685例)を占めるに至っている1).この現状を打破するためには,腎症を早期に診断し,まだ可逆性の時期に治療を開始することが重要である.腎症の治療法に関しては,これまでに多くのランダム化比較試験の成績が発表されており,いわゆるエビデンスに基づく治療が可能になってきたと考えられる.さらに最近,腎症のremission (緩解),regression (退縮)も生じ得ることが報告されている.そこで本稿では,これらの点に関し腎症治療の最前線を解説したい.
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