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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻7号

2002年07月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・19

アレルギー反応の機序とその検査

著者: 茆原順一1

所属機関: 1秋田大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.773 - P.776

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はじめに
 そもそも,アレルギーにしても,1907年,Peter,Clemens,Cesenatico von Pirquetによって,ギリシア語のAllos(alter)とErgon(action)とを語源に提唱した"反応能力が変化している"という意から発しており,その変化は量的関係が増強された場合を過敏状態(hypersensitivity)としてアレルギーと把握される.したがって,抗原抗体反応の生体に及ぼす作用は,防御と過敏性で,前者は生体にとってbenefitな反応で,免疫反応として呼ばれ,後者は生体にとって不利な反応で,アレルギー反応と呼ばれるわけである.したがって,免疫反応もアレルギー反応も抗原抗体反応という1つの線上に存在し,これが生体にとって有利かどうかという一点が異なるわけである.一方,アトピーの本質は,Coombs&GellのⅠ型アレルギー反応における易IgE抗体産生の遺伝的素因として把握できる.
 アレルギー性疾患の好発部位は皮膚,上気道,気管・気管支,腸管などで,これらはとりもなおさず,外来抗原に常にさらされる部位であり,さらに興味深いことには,生理的な状態においても好酸球の多く分布している部位でもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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