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今月の主題 臨床検査測定値の標準化 話題
生化学項目の標準化(2)―千葉県での実践
著者: 大澤進1 真々田賢司1 吉田俊彦1 市原文雄2 野村文夫3
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部 2社会保険船橋中央病院検査部 3千葉大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.877 - P.882
文献購入ページに移動臨床検査値の標準化には,最初に測定法や標準物質の標準化といった測定体系が整備されることが前提となる.次に,各医療施設の検査室に正確さが伝達された日常検査法を導入し,正確さと精密さを一定の規格内に維持管理して,初めて完成する.この作業を個々の施設で行うには,高価な各種常用標準血清購入による経費の問題や,自施設の日常測定法のトレーサビリティの確認など担当している技師の技術的な不安もある.標準化された臨床検査データはその施設のみが導入しても,その目的は十分に果たすことができないため,地域全体の問題として捉え,実行することが重要である.
千葉県臨床衛生検査技師会(千葉県技師会)は,臨床化学検査研究班を中心に古くから生化学検査データの正確さによる施設間差是正活動を実施1)してきた.その活動を通じて,酵素勧告法の用手測定や各種勧告法によるHPLC法での測定,そして臨床化学研究班サーベイ調査などから,測定技術の能力を養ってきた.1994(平成6)年から実施された千葉県技師会主催の無料サーベイにおいて,臨床化学部門は標準法により値付けした患者プール血清を配布し,各サーベイ参加施設の正確さによる評価を7年間実施2)してきた.その後,九州地区での施設間検査データの標準化の活動に刺激され,2000(平成12)年より千葉県立病院,大学病院,国民健康保険病院などを中心として生化学検査データの標準化活動が起こった.
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