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文献概要
今月の主題 臨床検査測定値の標準化 話題
凝固検査標準化の現状
著者: 巽典之12 中恵一12 田窪孝行12
所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学 2緒方医学化学研究所
ページ範囲:P.883 - P.886
文献購入ページに移動血液検査と同等以上のウエイトを持つ重要な診断的意義を有する凝固検査は,出血・凝固異常症が血液異常症に比して頻度の低いことと,その異常症のなかでも血小板の数的・質的異常症が血液疾患に分類されることもあって,凝固検査と分類される項目のオーダー量は決して多くはない.別の言い方をすれば対象となる患者数が多くなく,その検査が普遍的でないことを意味する.凝固異常症の診断は,PT (プロトロンビン時間),APTT (活性化部分トロンボプラスチン時間),フィブリノゲン(Fbg),TT (トロンビン時間)でもって,おおむね外因系・内因系・凝固第3相の異常を把握できることから,3項目ないし4項目が基本検査として利用され,2001年現在わが国ではそれらの検査を用手法でもって行われることはないと断言できるほど自動測定が普及している.凝固検査自動計測の利点は精密性の向上であり,用手法で生ずる検査技師間のバラツキを大きく減少させてくれることにある.
凝固自動測定装置にはクロット法,ないしはクロット法と免疫測定法,合成基質法などで構成されるが,クロット法が最も標準的な測定原理となっている.この方法はフィブリノゲンからフィブリンへ転換された凝塊を電気的・光学的ないし機械的に計測する生物活性測定法であることから,試薬や反応の条件の微妙な差に影響を受けやすいことから,化学的測定法とは精度の点でやや劣っている.
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