文献詳細
文献概要
今月の主題 臨床検査測定値の標準化 話題
血液検査の標準化
著者: 川合陽子1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
ページ範囲:P.887 - P.891
文献購入ページに移動1.はじめに
血液検査には,末梢血血球計数検査(completeblood count;CBC),血液形態検査,骨髄検査,溶血検査,血小板検査,凝固検査,線溶検査などの検査がある1).血液疾患の代表である造血器腫瘍の診断には,CBCを始めとして,末梢血や骨髄の形態検査を基本とし,組織化学検査・細胞表面マーカー・染色体・遺伝子検査などの特殊検査も必要である.また,頻度は低いが,出血傾向・血栓症の診断には,凝固線溶因子および阻止因子や凝固線溶分子マーカーなどの検査も不可欠である.
血液疾患の大多数は,血液検査のみで最終臨床診断がなされることが多いので,臨床検査の果たす役割や責任は重い.したがって,血液検査における臨床検査値の標準化は大変重要である.また,患者や臨床医にとっては,いつでもどこでも同じ検査結果が得られ,そのデータを複数の医療機関で共有できることが望ましい.ここでは,血液検査の基本的検査である末梢血血球計数の標準化についての現状について述べる1).
血液検査には,末梢血血球計数検査(completeblood count;CBC),血液形態検査,骨髄検査,溶血検査,血小板検査,凝固検査,線溶検査などの検査がある1).血液疾患の代表である造血器腫瘍の診断には,CBCを始めとして,末梢血や骨髄の形態検査を基本とし,組織化学検査・細胞表面マーカー・染色体・遺伝子検査などの特殊検査も必要である.また,頻度は低いが,出血傾向・血栓症の診断には,凝固線溶因子および阻止因子や凝固線溶分子マーカーなどの検査も不可欠である.
血液疾患の大多数は,血液検査のみで最終臨床診断がなされることが多いので,臨床検査の果たす役割や責任は重い.したがって,血液検査における臨床検査値の標準化は大変重要である.また,患者や臨床医にとっては,いつでもどこでも同じ検査結果が得られ,そのデータを複数の医療機関で共有できることが望ましい.ここでは,血液検査の基本的検査である末梢血血球計数の標準化についての現状について述べる1).
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