文献詳細
文献概要
今月の主題 臨床検査測定値の標準化 話題
細菌感受性検査
著者: 菅野治重1
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.892 - P.895
文献購入ページに移動1.はじめに
検査法の標準化があまり進んでいない微生物検査の領域において,薬剤感受性検査は例外的に検査法の統一化が進んでいる.この原因は,米国の臨床検査の標準化機関であるNational Commit-tee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS)の標準測定法のディスク拡散法が日本で1985年に発売され急速に普及してきたこと,またNCCLSの標準測定法の希釈法を採用した感受性検査の自動機器が大病院を中心に急速に普及したことによる.しかし,NCCLS法は米国の抗菌薬の使用法を前提とした検査法であり,抗菌薬の選択や投与量など,日本の実状と大きく異なる点があり,NCCLS法が普及するにつれて,感受性の判定基準などで問題が生じている.判定基準は感受性検査における検査値としての役割をもつため,その影響は大きい.本稿では,日本における感受性検査の標準化の実状を紹介し,今後の展望について述べる.
検査法の標準化があまり進んでいない微生物検査の領域において,薬剤感受性検査は例外的に検査法の統一化が進んでいる.この原因は,米国の臨床検査の標準化機関であるNational Commit-tee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS)の標準測定法のディスク拡散法が日本で1985年に発売され急速に普及してきたこと,またNCCLSの標準測定法の希釈法を採用した感受性検査の自動機器が大病院を中心に急速に普及したことによる.しかし,NCCLS法は米国の抗菌薬の使用法を前提とした検査法であり,抗菌薬の選択や投与量など,日本の実状と大きく異なる点があり,NCCLS法が普及するにつれて,感受性の判定基準などで問題が生じている.判定基準は感受性検査における検査値としての役割をもつため,その影響は大きい.本稿では,日本における感受性検査の標準化の実状を紹介し,今後の展望について述べる.
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