icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻9号

2002年09月発行

文献概要

今月の表紙 電気泳動異常パターンの解析シリーズ・9

酸性緩衝液と反応するM蛋白

著者: 青木義政1 亀子光明1 藤田清貴2

所属機関: 1長野市民病院臨床検査科 2信州大学医療技術短期大学部衛生技術学科

ページ範囲:P.946 - P.947

文献購入ページに移動
 M蛋白は種々の検査成績に影響することが知られており,しばしば病態を反映しない異常値として観察される.この原因として測定試薬のpH,イオン強度,濃度,電荷,界面活性剤の種類等,様々な条件がM蛋白との反応に関与する.
 図1に81歳,男性1)のセルロース・アセテート膜電気泳動パターンを示す.γ位に明瞭なM蛋白帯を認め,免疫電気泳動(図2),免疫固定電気泳動(図3)により,IgG4-λ型M蛋白と同定され,A型のBence Jones蛋白も観察された.入院時検査において,総蛋白が8.8g/dlにもかかわらずアルブミンが9.2g/dl,直接ビリルビンがマイナス値(-6.2mg/dl)と矛盾する測定値が得られた.またクリオグロブリン,パイログロブリンは検出されず,Sia testは陰性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?