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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻1号

2003年01月発行

文献概要

今月の主題 緊急検査 話題

緊急医療のなかでの臨床検査

著者: 柴田泰史1 山本保博2

所属機関: 1日本医科大学附属病院中央検査部 2日本医科大学救急医学教室

ページ範囲:P.71 - P.74

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1. はじめに

 かつて臨床検査は,各種疾患の診断に際して理学的所見による診断を補助するものであった.しかし,今日では理学的所見だけではなく,臨床検査は診断と治療のうえで重要な部分を担っているが,ことに緊急(救急)医療における臨床検査,いわゆる緊急検査も例外ではない.単に病気の診断に役立せるためだけではなく,重症度や緊急度の判断,病態の把握,緊急処置や治療の効果などに対する有用性の高さから,救急医療ではその重要性はいっそう大きくなる.それは救急医療施設のなかでもとりわけ救命救急センターに搬送される救急患者は,様々な病態を呈し,かつ重症であることが多いからである.刻々と状態が変化する救急患者に対して,どのような検査を,どのようなタイミングで行ったらよいのかを選択し決定していくことは難しいことである.重症の救急患者を診断,治療し救命するには,医師の技量や看護体制のみではなく,緊急検査が緊急度や優先順位によって迅速かつ円滑に行われなくてはならない.医療内容が高度かつ複雑になるにつれ,最善の診断,治療が行われるためにも,従来にもまして臨床検査技師の積極的な関与とともに,救急医療における臨床検査システムを理解しなければならない.本稿では,救急医療システムとその現状,救急医療に即した臨床検査の現状について,救急医療に携わる医療従事者の視点から述べてみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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