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特集 プロテオミクスに向かう臨床蛋白質検査 4章 プロテオミクスの展望―この先どこへ行きつくのか
3. 分析センターにおけるプロテオーム関連受託分析の現状と将来
著者: 水野保子1
所属機関: 1(株)東レリサーチセンター生物科学研究部
ページ範囲:P.1447 - P.1458
文献購入ページに移動はじめに
ヒトゲノムプロジェクトが終了し,ポストゲノム解析が盛んな今,医薬品開発においてバイオ技術はますます重要なツールになると考えられる.その中でもプロテオーム解析(蛋白質の解析)は最も注目されている技術の一つであり,現在多くの製薬会社や大学,公的機関などが創薬ターゲットを探索するためにプロテオーム解析に力を注いでいる.また,プロテオーム解析用の装置や試薬の開発も活発であり,新しい装置や試薬キットなどがここ1,2年の間に数多く販売されている.一方,質量分析によるプロテオーム解析の受託サービスに進出する企業も最近急増している.
弊社では医薬品,バイオ関連の研究・開発をサポートする受託分析を開始してから,20年余りになるが,蛋白質関連分野においてもアミノ酸分析から始まり,いちはやくプロテインシーケンサーやMALDI-TOF MSを導入し,蛋白質の同定や蛋白質医薬(バイオ医薬品)の分析に貢献してきた.
他のプロテオーム解析を受託している会社と弊社が大きく異なる点は,蛋白質の分析に欠かせない糖鎖の受託分析を15年以上前から行っていることにある.最近では,プロテオーム解析におけるリン酸化,N末端の修飾および糖鎖付加のような翻訳後修飾の研究領域はモデフィコミクスと呼ばれ,より効率的な解析法の開発が求められている.その中でも,糖鎖に絞ったプロテオーム解析も実施され始めており1~3),今後糖鎖の解析技術は非常に重要な位置を占めると推測される.さらに将来を見据え,蛋白質医薬の申請用の構造決定を信頼性基準対応で実施していることも弊社の特徴である.
表1にプロテオーム関連分野の弊社の受託サービスの内容について示した.蛋白質の発現,精製から構造解析さらには相互作用解析,ペプチド合成などの受託も行っているが,本稿ではプロテオーム解析(蛋白質の同定)と糖鎖構造解析を中心とした構造解析について紹介する
ヒトゲノムプロジェクトが終了し,ポストゲノム解析が盛んな今,医薬品開発においてバイオ技術はますます重要なツールになると考えられる.その中でもプロテオーム解析(蛋白質の解析)は最も注目されている技術の一つであり,現在多くの製薬会社や大学,公的機関などが創薬ターゲットを探索するためにプロテオーム解析に力を注いでいる.また,プロテオーム解析用の装置や試薬の開発も活発であり,新しい装置や試薬キットなどがここ1,2年の間に数多く販売されている.一方,質量分析によるプロテオーム解析の受託サービスに進出する企業も最近急増している.
弊社では医薬品,バイオ関連の研究・開発をサポートする受託分析を開始してから,20年余りになるが,蛋白質関連分野においてもアミノ酸分析から始まり,いちはやくプロテインシーケンサーやMALDI-TOF MSを導入し,蛋白質の同定や蛋白質医薬(バイオ医薬品)の分析に貢献してきた.
他のプロテオーム解析を受託している会社と弊社が大きく異なる点は,蛋白質の分析に欠かせない糖鎖の受託分析を15年以上前から行っていることにある.最近では,プロテオーム解析におけるリン酸化,N末端の修飾および糖鎖付加のような翻訳後修飾の研究領域はモデフィコミクスと呼ばれ,より効率的な解析法の開発が求められている.その中でも,糖鎖に絞ったプロテオーム解析も実施され始めており1~3),今後糖鎖の解析技術は非常に重要な位置を占めると推測される.さらに将来を見据え,蛋白質医薬の申請用の構造決定を信頼性基準対応で実施していることも弊社の特徴である.
表1にプロテオーム関連分野の弊社の受託サービスの内容について示した.蛋白質の発現,精製から構造解析さらには相互作用解析,ペプチド合成などの受託も行っているが,本稿ではプロテオーム解析(蛋白質の同定)と糖鎖構造解析を中心とした構造解析について紹介する
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