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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査47巻12号

2003年11月発行

雑誌目次

今月の主題 生体材料の取扱いと倫理

巻頭言

生体材料の取扱いと倫理

坂本 穆彦

pp.1479-1480

 昨今のテレビ・新聞などのマスコミ報道で取り上げられる記事は,医学・医療関係に限ってみると,新しい発明・発見,あるいは治療法の問題などのような明るい課題はむしろ少なく,医療ミスに代表されるようなマイナスの要素を含むものの比率が高いように思われる.これは,それまでの医学・医療では当たり前と思われていた内部のルールや担当者・関係者の思考回路・ふるまい方に対する一般社会からの異議申し立てが激増しているためであろう.したがって,われわれ医学・医療に携わる側に立つ者としては,これまでの考え方・やり方に対する逐一の再点検がせまられており,現にそれぞれの立場からの取組みは進行中である.

 生体材料に関してのその取扱いの見直しはこのような背景のもとで展開されている.本号では主題としてこの問題を取り上げ,各界の専門家に個々の分野での現状につき解説をいただいている.倫理面を配慮した扱いについて,すでに統一的な対応が申し合わされた分野がある一方,いまだに論議中のものもあり,その内容は必ずしも一様ではないことがおわかりいただけると思う.

総説

臨床検査の倫理的側面

森 茂郎

pp.1481-1487

〔SUMMARY〕 臨床検査に携わる者にとって,倫理問題が現在の職域にどのような影響をもちうるか,具体例を示した.さらに世界,日本の生命倫理,医療倫理に関する発言,法令などを示したうえで,それらが臨床検査に具体的にどのように反映されるべきかを考案した.われわれにとって倫理問題は,単に条文を読んでこれと抵触しないような行動規範を策定するということではないこと,行動規範の策定は倫理を考える場合の最終局面に位置する事項であり,その前提となる人間観,倫理観が決定的に重要であること,ヘルシンキ宣言は,医学研究における倫理規範を示した宣言文であるが,そこにある倫理観は,臨床検査にそのまま通用するものであることなどを強調した.〔臨床検査 47:1481-1487,2003〕

法と倫理の関連

旗手 俊彦

pp.1489-1494

〔SUMMARY〕 生体材料のもつ意義は,オーダーメード医療や予防医学の基礎データ,そして再生医療のセルソースなど近年飛躍的に増大してきた.生体材料をこのような目的に利用するためには,施設内あるいは研究集団内での質の高い倫理審査体制を確立する必要がある.また,市民あるいは社会に対する説明責任と透明性の確保も必要である.〔臨床検査 47:1489-1494, 2003〕

行政の立場と倫理

堂本 英治

pp.1495-1502

〔SUMMARY〕 生体材料を使用するに当たっては研究の科学的合理性と倫理的妥当性が必要である.そのため,各機関の長は倫理審査委員会を設置し,研究実施の可否を決定する必要がある.倫理指針においては,十分なインフォームド・コンセントの取得,個人情報の保護,患者の人権と利益の尊重,情報の公開に重点が置かれている.今後の科学技術の進歩によっては,行政はさらに倫理指針を策定し,広く国民に示してゆかねばならない.〔臨床検査 47:1495-1502,2003〕

各論

1. 血液・尿

吉田 浩

pp.1503-1506

〔SUMMARY〕 血液や尿などの目的検査終了後の取扱いについては,これまでに問題となった事例がなかったためか議論は少ない.わが国で討議されたこと,アンケート調査成績など(中原一彦),さらに日本臨床検査医学会から出された「臨床検査を終了した検体の業務,教育,研究のための使用について」の見解を紹介した.これは被検者が不利益を被らないことを基本とし,残存検体取扱いの考えを示したものである.〔臨床検査 47:1503-1506,2003〕

2. 組織検体

井藤 久雄

pp.1507-1512

〔SUMMARY〕 組織検体は医療の精度管理のみならず,学術研究や医学教育において重要な役割を果たしている.近年,その利用に際しては,倫理的観点に関する配慮が求められており,それは,①インフォームド・コンセントの徹底,②自己決定権の担保,③個人情報やプライバシーの保護・管理,④患者やクライアントの人権や利益の尊重等に要約される.組織検体の利用に関しては各種の倫理指針に沿った手続きが必要であり,それにより学術研究・医学教育への展開が担保される.組織検体は公共の財産でもあり,病理医が責任をもって保管し,それを利用した教育・研究を展開して,その成果を社会に還元すべきである.〔臨床検査 47:1507-1512,2003〕

3. 細胞診検体

廣川 満良

pp.1514-1518

〔SUMMARY〕 近年,倫理的観点に基づく患者への配慮が厳しく求められるようになり,医療を提供する側と医療を受ける患者側の対等で新たな関係が模索されている.細胞診検査やその検体の取扱いにおいても,インフォームド・コンセントの実施,個人情報の保護・管理,目的外使用の倫理に関する考え方が徐々にではあるが定着しつつある.細胞診とは患者から採取した細胞あるいは滲出液を顕微鏡下で観察して,病変を診断する形態学的診断法の1つであり,検診にて行われるスクリーニング検査と穿刺吸引細胞診のような診断目的で行われるものとがある.前者では検査の性格上倫理的問題が発生する機会は少ないものの,後者は検体が有する情報量からみれば決して組織標本に劣るものではなく,インフォームド・コンセント,個人情報の保護,検体の目的外使用などに関して生検標本や手術摘出標本と同様の配慮がなされるべきである.倫理問題を重要視することは患者の人権を守るうえで大切なことである.しかし,手続きが煩雑になりすぎると,医療現場でのトラブルを起こすことにもなりかねないし,研究や教育の発展を制限するとの意見もある.倫理指針の順守と医学研究の進歩は一見相反するように見受けられるが,倫理指針を遂行することが研究者や教育者の立場を結果的に保護することになると考えるべきである.〔臨床検査 47:1514-1518,2003〕

4. 胎児・羊水

鈴森 薫

pp.1519-1523

〔SUMMARY〕 胎児・羊水は胎児遺伝情報のための貴重な生体材料である.子宮内胎児自身から安全に生体材料を採取することは実際的ではなく(胎児皮膚生検による先天性皮膚疾患の出生前診断以外は行われていない),もっぱら流産胎児の原因検索のための染色体分析に限定される.流産胎児の約50%に致死的な染色体異常がみつかるが,染色体異常でない胎児については今後片親性ダイソミー,とかメチレーションの異常など遺伝子レベルによる原因検索も必要となろう.胎児には自然に流産したものと母体保護法に基づいて行われる人工妊娠中絶がある.人工妊娠中絶胎児の多くは遺伝的に正常であり,ヒト胎児由来材料に依存した医学生物学的研究,再生医療にとって有効な資源となりうるものであり,倫理的ガイドラインを加えた利用指針が策定されるのを期待している.羊水のほとんどは出生前診断,特に胎児染色体分析に利用されているのが現状である.〔臨床検査 47:1519-1523,2003〕

話題

医療の安全,検体・臓器の廃棄処分と倫理

堤 寛

pp.1524-1528

1. ヘルシンキ宣言

 医療の安全と倫理を考えるうえで忘れてはならない基本はヘルシンキ宣言にある.

 ヘルシンキ宣言は,ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則であり,1964年6月にフィンランドの首都ヘルシンキで開催された第18回世界医師会総会で採択された.その後,数回の改訂がなされて現在に至っている(最終改訂は2002年10月).医学研究が対象で,必ずしも医療現場における倫理に言及されているわけではないものの,医師を医療者と読み替えれば,総論的な倫理的規範とみなすことができよう.

 内容のすべてを転載することはしないが,全32項目のうち,医療の安全にかかわる項目を中心に紹介しよう(日本医師会訳)1)

生体肝移植と倫理

須郷 広之 , 川崎 誠治

pp.1529-1531

1. はじめに

 臓器移植には脳死体から臓器提供を受ける脳死臓器移植と健常者から臓器提供を受ける生体臓器移植の2つに大別される.臓器移植の歴史としては脳死体(死体)からの臓器移植のほうがはるかに古く1890年代に死体から摘出した角膜移植に始まり,腎移植がこれに続く1).肝移植に関しては1963年にStarzlらによる脳死体からの肝移植が世界初であり2),これ以降,欧米諸国が脳死肝移植プログラムを開始している.一方,脳死肝移植にくらべ生体肝移植の歴史は浅く,脳死ドナーの不足から1988年,ブラジルで4歳の胆道閉鎖症の患児に対して母親をドナーとした生体肝移植が世界第1例目である3)

 こうした欧米諸国の歴史とは対照的に,わが国の肝臓移植の歴史は特異なものといえる(表1).わが国での最初の肝移植は1964年に千葉大学で行われた死体肝移植であり,1969年には2例目を行っているが,肝移植の普及には至らなかった.わが国の肝移植の本格的なスタートとなったのは1989年,島根医科大学で胆道閉鎖症の患児に対して父親をドナーとして行われた本邦第1例目の生体肝移植である4).当初,生体肝移植は脳死体からの肝移植までの緊急的手段との位置づけであったが,当時の日本では脳死に対する死生観の相違と過去の経緯から脳死臓器移植が容認されていなかったため,生体肝移植は急速に普及し現在では不可逆的な肝不全に対する治療法の一選択肢と位置づけられるようになった.わが国ではこれまで小児,成人を合わせ約2,400例に施行され,生体肝移植に関しては世界をリードする立場にあるといえる.一方,わが国の脳死臓器移植の歴史は浅く1997年,臓器移植法が施行されて以来,脳死肝移植はこれまで21例に施行されたに過ぎない.しかし,この脳死臓器移植の開始をきっかけにわが国の臓器移植に関する生命倫理問題への取り組みも活発になってきている.

 本稿ではこうした臓器移植の倫理問題について,特に生体肝移植を中心に概観する.

遺伝学的検査(遺伝子検査・染色体検査)と倫理

福嶋 義光

pp.1533-1536

1. はじめに

 ヒトゲノム・遺伝子解析研究の急速な進展により,稀で重篤な遺伝病だけではなく,一般の人々が多く罹患する高血圧,糖尿病,心筋梗塞などの生活習慣病やアレルギー疾患,悪性腫瘍,感染症に対する抵抗性など,ほとんどあらゆる健康の問題に遺伝や遺伝子が関係することが明らかとなってきており,それらの遺伝子情報を明らかにする遺伝学的検査の役割はますます大きくなるものと予想される.

 しかし,遺伝子情報には非常に高い確率で将来の発症の予知,疾病の予後の推定を可能とするものがあり,また個人の遺伝子情報がその家族・血縁者の情報をも内包することなど,従来の臨床検査とは異なる面があるので,遺伝学的検査に携わる者はその倫理的側面を熟知しておく必要がある.本稿では種々の内容のものが含まれる遺伝学的検査を倫理的側面から分類し,それぞれの遺伝学的検査で考慮すべき事項について解説する.

生体材料の研究利用に関する包括的インフォームド・コンセント

笹子 三津留

pp.1537-1540

1.生体材料の研究利用

 診療に伴って生じる生体材料は手術材料,生検材料,血液,尿など多岐にわたる.従来はこれらを材料として様々な計測,分析等を行い,それらと臨床データを結びつけ解析するといった医学研究は日常的に行われてきた.研究意図によって採取された材料ではなく,純粋に医療に伴って発生した材料の後利用であるから,利用することに関して患者さんに同意を得る必要があるという発想はなかったといえる.しかし,個人情報の保護の立場が明確化され,法律までできた今日,このような行為はいくつかの問題点を含んでいる.まず,このような研究においては,資料にカルテ番号なり患者氏名なり,即患者を特定しうる情報がついており,それを元に病歴などから患者に属するいくつもの情報を採取することが多い.研究半ばで,不足した情報を追加項目として追加することもラベルが付いているからこそ簡単にできるわけである.予後を追跡することも然りである.研究当事者はこのように収集した情報を昔は集計表,今ではパソコンの表ソフトなどで管理していることが多いと思う.大抵は患者氏名,カルテ番号,年齢,病名,病期,などが一覧表に含まれ,ときには連絡先まで含まれていることもある.このような表の管理に医療者,研究者はどこまで気を遣ってきたであろうか.今やパソコンはインターネットを介して世界に通じており,管理を誤るとプライバシーは一瞬にして世界中の知るところとなる.誰でも容易に理解はできるが,どこまで真剣にそのリスクを評価し,対策を施してきたであろうか,おおいに疑問である.問題はこれだけではない.これらの集計表を作るような操作は以下に述べる点で確実に個人情報保護の立場を踏みにじっている.この資料の身元患者は治療を目的に資料となるものが採られることを同意したのであり,研究のために提供したわけではない.本人の承知しない目的で個人情報が扱われる(操作を受ける)ことがないようにする権利が個人情報保護におけるもう1つの要件であり,このような操作は確実に個人情報保護違反である.治療,あるいは検査の同意にはこれらの資料の後利用の同意は含まれていない.

 2. 疫学研究倫理指針と臨床研究倫理指針

 疫学研究倫理指針の「第4章:個人情報の保護等」の中に「資料の保存及び利用」の項があり,人体から採取された資料の利用に関して以下のように記述されている.

検体の取扱いと倫理―臨床検査技師の立場から

鈴木 悦

pp.1541-1544

1.はじめに

 臨床検査を目的に提出される検体は血液,尿,喀痰,胸腹水,臓器組織,分泌物等と,検査目的別に分離された血球・血清,培養細菌,遺伝子産物,等々,多様である.本稿では検査に提出された検体全般に関しての取扱いと倫理について,検査を担当する臨床検査技師が知っておくべき事柄について簡単に述べ,病理組織検査と病理解剖については検索後の検体の取扱いと倫理面について本院での対応を中心に解説する.

今月の表紙 電気泳動の解析シリーズ・11

抗イディオタイプ抗体によりLD結合能が阻害されないIgG1型M蛋白

藤田 清貴

pp.1476

 近年,血清中に存在する酵素蛋白と免疫グロブリンが結合する例が多数報告されるようになり,その臨床的意義について注目されている.しかし,酵素結合性免疫グロブリンを自己抗体と考えるか否か,またある特定の病態との関連性はあるのかどうか,十分な結論は得られていない.また,酵素と結合する免疫グロブリンが血中に存在すると,酵素活性は低活性異常として見いだされる例も稀に認められるが,病態を反映しない高活性異常として観察される場合が多く誤診につながる可能性も高い.特に,乳酸脱水素酵素(LD, E. C. 1.1.1.27)と結合する免疫グロブリン例では,高分子型LDが見いだされない例,NAD+などの補酵素により容易に解離する例などが存在し,その多様性がうかがわれる.

 図1に80歳,男性のアガロースゲルを支持体とする蛋白電気泳動およびLDアイソザイムパターンを示す.症例1)は腰痛を主訴として来院した患者である.入院時の検査では,血清蛋白分画でslow-γ位にM蛋白を認め,免疫電気泳動法によりIgG1-λ型と同定された.しかし,臨床所見やM蛋白以外の正常免疫グロブリンであるIgA, IgMは減少していないことから良性M蛋白血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance;MGUS)と診断された.血清LD活性は271IU/Lと基準範囲内であったが,LDアイソザイム分析ではLD2,3,4の陰極寄りとLD5にかけてのtailingが認められた.

シリーズ最新医学講座・Ⅰ 免疫機能検査・35

遺伝子治療と検査:SCID遺伝子治療を例として

久米 晃啓

pp.1545-1551

はじめに

 近年,種々の疾患について遺伝子レベルでの病因解析が進み,DNA診断が可能になったものも多い.一部の疾患については,既にコマーシャルベースで遺伝子検査が行われている.一方,遺伝子工学的手法の治療への応用すなわち遺伝子治療については,大部分の臨床家や検査に携わる方々にとってはまだなじみが薄いであろう.そこで本稿では,まず遺伝子治療の基本的概念を紹介し,次いで典型的な対象疾患である重症複合免疫不全症(SCID)について,その診断に用いられる臨床検査と遺伝子治療の経過を略述する.さらに,この治療に起因する白血病発症を契機に認識されたベクター挿入部位のゲノム網羅的検索の必要性についても触れる.

コーヒーブレイク

身辺雑記

屋形 稔

pp.1552

 朝5時頃目を覚まし寝床でゆっくり新聞を読み次いでテレビ体操,7時頃朝食をとる.そのあと眼下に流れる信濃川の堤防沿いに30分位の運動兼散歩.以前はゴルフのアイアンの素振りをしながら歩いたが,芝が奇麗に貼られて「やすらぎ堤」などと名付けられてからは仕方なく1kgほどの亜鈴を両手にぶらさげて腕を鍛えながら歩く.堤には春の桜から始まりチューリップ,つつじと入れ替わり目を楽しませる.

 コースは上流の方と下流に行く日があるが,何れも2つの大橋を横切る.下流には万代橋がまずありこれは新潟のシンボルの石橋である.さらに歩くと河口に近く最近柳都大橋という鉄橋がかかり,この袂の朱鷺(とき)メッセという建物の辺からひっ返す.これは5月からオープンした31階のビルで国際会議場が含まれている.

毒をもって毒を制す―亜砒酸の白血病に対する有効性―

寺田 秀夫

pp.1570

 これまで砒素化合物は毒物であり,かつ強力な発癌物質とされてきた.事実筆者も新潟県某町の三硫化砒素(塗装料の主剤)製造工場の排水による地下水の汚染のため,長年この地下水を飲用水として生活してきた一部住民に発生した慢性砒素中毒症の集団発生を調査した経験があり,最近でも第二次大戦中に旧日本軍が遺棄した毒ガスによる井戸水を飲んでいた茨城県神栖町の被害者住民の訴えが新聞誌上に掲載されている.また和歌山県のカレー事件は今も多くの人の記憶に残っているに違いない.

 このように砒素化合物は人体に対し有毒物質として知られてきた反面,漢方薬として一部の皮膚病,リウマチ,梅毒などで,また西洋医学で慢性骨髄性白血病や梅毒に対し過去に用いられてきた事実もある.

シリーズ最新医学講座・Ⅱ シグナル伝達・11

環境ホルモンシグナル伝達

野村 政壽 , 森永 秀孝 , 後藤 公宣 , 名和田 新

pp.1553-1562

はじめに

 内分泌攪乱物質は「動物の生体内に取り込まれた場合,本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質」(環境ホルモン戦略計画SPEED '98)もしくは「内分泌系に変化をもたらし,無処置の生物もしくはその子孫に,健康上有害な影響を及ぼす外因性物質,もしくは混合物」(WHO,1998)と定義される.内分泌攪乱物質は様々な呼び方をされており,例えば,環境エストロゲン(environmental estrogens),環境ホルモン(environmental hormones),内分泌攪乱化学物質(endocrine disrupting chemicals),内分泌変調物質(endocrine modulators)といった具合である.

 環境庁は1998年5月に,環境ホルモン戦略計画SPEED '98において内分泌攪乱作用が疑われる67の化学物質を公表している(表1).これら化学物質がホルモン作用を有する可能性が示唆されているわけであるが,表2にその作用機序の概略を示すように,エストロゲン作用,抗アンドロゲン作用を有する化学物質がそのほとんどである.これらの物質の環境中への放出により,マスコミで問題となっている「メス化する自然」の原因となっている可能性がある.

トピックス

母親が妊娠後に示す免疫反応と児に及ぼす影響―鬼子母神効果

山口 宣夫 , 村山 次哉 , 松葉 慎太郎 , 泉 久子 , 清水 昌寿 , 田中 佳 , 佐久真 正弘

pp.1563-1569

1. はじめに

 われわれはこれまで妊娠中の母体に抗原刺激を与えたり感染侵襲を受けた場合の児における能動的免疫反応について調べてきた.これまで出生期における新生児の感染免疫は主に母体由来の移行抗体によると報告されていて,母子免疫は児にとって利点として考えられてきた.しかし,われわれは出生後,児の能動的免疫反応の展開を調べていくうちに,母親は児の特異的免疫反応に干渉し,児の反応を抑制することを見出した.この抑制は抗原特異的であり児の1/6生涯の期間持続する.また,抑制の機構を調べていくにつれ,母親の免疫担当細胞そのものが児に移行し児の免疫反応に干渉していると判定されている.この事実は,これまで自己免疫と考えられてきた病態を母子免疫の方向から可能性を探る必要性を示唆するものである.

 父親由来の遺伝子をもつ胎児がなぜ免疫学的に拒絶されることなく子宮内で発育できるのかについては大きな謎である1,2).生物学的に子宮外では発育不可能な胎児にとって母体の役割は大切である.胎児は母子間の組織適合抗原が相同の場合のほうが非相同の場合よりも大きく発育する3,4).このことから,胎児に対する母体の障害性はMHCとminor HCを異にする場合のみ引き起こされるものといえる.児の免疫系の発達は母体の免疫系により影響される.本報では遺伝学的背景が同じである母子間において母体が胎児に与える影響について述べる.母子間における免疫的相互作用は相同であっても非相同であってもみられるが,その質と量には差がある5).われわれは同種間の影響を除いた後天的免疫反応について着目した.同種であることによる非相同に基づく免疫反応の影響を避けるため,同系のSPFマウスを用いた6,7)

 われわれの実験系において,母体由来の抗体(末梢血血清中の抗体)は子宮および/または母乳を介して胎児に移行させた6).抗体価を測定するこれまでの方法を用いたのではその抗体が母体由来か胎児由来かを知るうえで適切ではない6).そこで,われわれはJerneによって開発されたゲル中での局所溶血特異的抗体の産出活性をみる方法を試みた8).この方法においてT細胞依存性抗原としてのはたらきおよび実験室にて取扱いの容易な綿羊赤血球(SRBC)を用いた.卵白アルブミンもまたT細胞依存性抗原であるが,可溶性のものではアジュバントなしの場合容易に免疫寛容を惹起する9).さらに細菌由来のリポポリサッカライド(LPS)および重合化されたフラジェリンをT細胞非依存性抗原として用いた.

 われわれはすでにマウスにおいて母体に対するSRBCによる抗原刺激が児の特異的免疫反応を抑制することを報告してきた.しかし,児の免疫反応は母体の免疫によって増強されるとの報告もある10).これを証明するためにアジュバントあり/なしの可溶性蛋白抗原である卵白アルブミン(OVA)を妊娠マウスに投与した7).まず,アジュバントとともに可溶性蛋白抗原である卵白アルブミン(OVA)投与母体群の免疫反応を調べ,次に児の免疫反応を二群間で比較した.さらに母体に投与される抗原量の違いにより受動免疫にどのような違いをもたらすかも検討した.得られた結果よりSRBCまたはアジュバントあり/なしのOVAにて刺激した場合の児における免疫抑制の機序について考察した.本稿では,このような観点から,われわれの実験を紹介し討議した(図1).

資料

中央採血室における採血によるトラブル症例の検討

藤田 浩 , 前田 陽子 , 小野 知子 , 上久 律子 , 田中 健彦

pp.1571-1573

〔SUMMARY〕 中央採血室における現場のスタッフは採血にかかわる苦情対応についてしばしば経験し,その対応に苦慮することが多い.したがってその対策が必要とされていた.今回,われわれは苦情対応の対策の一環として,苦情症例の臨床的検討を行った.その結果,中央採血室での採血による神経損傷,動脈穿刺の発症頻度はそれぞれ0.0001%,0.0002%であった.苦情内容は,疼痛,血腫,その両者に限られ,そしてその症状はほとんど5週間以内に症状は消失した.苦情症例は悪性腫瘍,糖尿病で多く,穿刺血管は尺側皮静脈,尺側正中皮静脈,肘正中静脈が多くを占めていた.

病理検査における臓器処理,廃液処理に関する全国アンケート調査報告

佐々木 政臣 , 梅宮 敏文 , 徳永 英博 , 東 恭悟 , 大高 啓 , 所 嘉朗 , 小川 勝成 , 鳥居 良貴

pp.1575-1583

〔SUMMARY〕 2002年8月~11月にかけて,病理検査における臓器処理,廃液処理に関するアンケート調査を日本臨床衛生検査技師会病理検査分野員が全国の病理検査施設592施設に実施した.結果,臓器の保存はホルマリンに漬けた状態での保存が多く,保存期間は手術臓器が1~3年間で57%で,剖検臓器が3~5年間で57%であった.臓器処理は業者委託が94%で,火葬焼却が66%であった.業者委託の前処置ではホルマリンを取り除いて出す施設が多かった.廃液処理についてはホルマリン,キシレン,重金属類については業者委託が多く,アルコール,色素類については下水に流している施設が多かった.廃液処理については病院より検査センターのほうが業者委託率が多く,また地区別には北海道・東北地方のほうが近畿,中部地方より業者委託率が高かった.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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