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今月の主題 イムノアッセイ 話題
HCV抗体スクリーニングにおけるイムノクロマトの原理と特徴
著者: 服部俊一1 楢原謙次2
所属機関: 1オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社 2株式会社ミズホメディー
ページ範囲:P.1669 - P.1675
文献購入ページに移動イムノアッセイにおいて,現在特別な機械などを必要としない最も簡便な測定法の1つがイムノクロマトであろう.1990年頃から開発され始めたこの技術は,1992年(平成4年)にOTC分野でセルフチェックテストとしての妊娠診断薬が,薬局・薬店で販売されたことによって身近なものになった.検体を供給するだけで短時間のうちに着色ラインが発現するという画期的なこのシステムは,当然医療機関の臨床検査分野でも注目され,感染症や便潜血反応など様々な項目に応用されるようになった.
1999年(平成11年)に,C型肝炎ウイルス(HCV)診断薬の1つとして,イムノクロマトを用いたHCV抗体スクリーニング試薬が開発され,緊急検査を始め多くの医療現場で使用されることになり,その簡便性と性能に高い評価を得ている1~3).
一方,検査現場からはこのように便利なイムノクロマトについて,原理などの質問を受けることがよくある.本稿では,「オーソ クイックチェイサーHCV Ab」(以下,クイックチェイサーHCV Abと称す)に関して,その操作性や性能に寄与するイムノクロマトの原理・特徴について製造法を交えて解説する.
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