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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻2号

2003年02月発行

文献概要

今月の主題 病原微生物の迅速検査 各論 消化管感染症起因菌の迅速検査

ヘリコバクター・ピロリ

著者: 長田太郎1 三輪洋人1 佐藤信紘1

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.151 - P.157

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〔SUMMARY〕 ヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断が迅速かつ簡便にできるようになっている.内視鏡で得られた生検組織を用いる迅速ウレアーゼ試験は,病変のある患者に対し短時間にその場で感染診断ができる方法として,特に除菌前診断では有用性の高い検査である.尿素呼気テストはヘリコバクター・ピロリ菌のウレアーゼ活性を利用する検査で,非侵襲的で精度も高く除菌判定に最も有用な検査と考えられており,最近では赤外分光分析装置により短時間で測定できるようになっている.血液や尿を用いた診断法では,ヘリコバクター・ピロリIgGを測定し診断する.数分から数十分で診断できる簡易キットが市販され,最近では国内由来株を用いたELISAキットが開発され,高い精度での診断が期待される.いまだ保険適用にはなっていないが,便中抗原を直接測定することにより尿素呼気テストと同様,除菌後の判定にも利用できると考えられている.〔臨床検査 47:151-157,2003〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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