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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻2号

2003年02月発行

文献概要

トピックス

IT技術と微生物検査

著者: 田辺一郎1

所属機関: 1佐賀医科大学附属病院検査部

ページ範囲:P.217 - P.219

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 1. はじめに

 情報技術(information technology;IT)の充実は,「IT基本戦略」として,2000年7月,当時の森首相が内閣府に設置した「IT戦略会議」から,国家戦略として掲げられるほどの重要な命題となっている.(http://www.kantei.go.jp/jp/it/index it.html)

 ここでいうITとは単なる情報処理・通信の技術としてのものではなく,コンピュータの進歩に基づくところによる技術のことである.この報告のなかで,ITの進歩によりめざすべき社会の具体的な例の1つ,医療に関する部分として「医療・介護:在宅患者の緊急時対応を含め,ネットワークを通じて,安全に情報交換ができ,遠隔地であっても質の高い医療・介護サービスを受けることができる」とある.

 医療においては「緊急」「安全」「高品質」がキーワードとなろう.

 なお,本題とは関係ないが,この報告のなかには昨今社会的に話題となった国と地方自治体のオンライン化に関する提言も含まれている.批判も多いなか,この施策の実施に踏み切ったということは,本報告の実現化に政府も腰を入れて取り組んでいるという1つの表れかもしれない.

 さて,「微生物検査」はITによってどのように変われるであろうか.以下に具体的な例とともに考えていきたいと思う.また,政府が唱える「緊急に対応」でき,「ネットワークを通じた安全な情報交換」,「質の高い医療」の恩恵をどう日常の業務のなかに生かすことができるであろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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