資料
臨床検査技師の立場から病理医,臨床検査医に期待するもの―全国アンケート調査報告
著者:
佐々木政臣1
鈴木悦2
布施恒和3
徳永英博4
梅宮敏文5
東恭悟6
久富元治7
小川勝成8
高井チカ子9
直井芳文10
所属機関:
1大阪市立大学医学部附属病院病理部
2筑波大学附属病院病理部
3山形大学医学部附属病院検査部
4熊本大学医学部附属病院病理部
5千葉大学大学院医学研究院腫瘍病理学
6札幌医科大学附属病院病理部
7金沢大学医学部附属病院病理部
8広島大学医学部附属病院病理部
9徳島大学医学部附属病院病理部
10水戸済生会総合病院臨床検査科
ページ範囲:P.327 - P.332
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〔SUMMARY〕 2001年12月から2002年2月にかけて,全国の病理,細胞診担当技師574人から,臨床検査技師の立場から病理医,臨床検査医に期待するものについて全国アンケート調査(選択方式,自由記述方式)を実施した.その結果,選択方式による質問の回答では,臨床検査学,病理学的教育や臨床側,診療科への検査の指示,調整を7割以上の技師が期待していた.次いで内部精度管理対策への期待が6割,技術的な指導が5割,最も低いのは検査機器,試薬の選定や購入に関することで3割であった.組織検査士制度については6割の技師が必要と考えていた.自由記述方式では,病理医に対しては技師とのコミュニケーションに関することが最も多く,臨床検査医に対しては業務内容,認定制度についてよくわからないという意見が多かった.したがって,本来,技師がすべきことは自らで積極的に発展させて行くべきであるが,技師と検査医との有機的な連携と適切な役割分担を進め,臨床に信頼されうる病理検査業務体制を構築することが必要であると思われた.