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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻3号

2003年03月発行

文献概要

質疑応答

病理 胃生検材料におけるHelicobacter pyloriの組織学的鑑別

著者: 新野史1 斉藤澄2

所属機関: 1国立国際医療センター臨床検査部病理 2国立国際医療センター臨床病理室

ページ範囲:P.318 - P.320

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Q

「萎縮性胃炎や胃癌などの症例では,Helicobacter pylori以外に他の菌も検出され鑑別が困難」との文献を読みました.胃の中にはH. pylori以外にも菌がいるのでしょうか.特に,免疫組織化学染色での検出法で解説下さい.また,組織でcoccoidform(球状になる)を呈するH. pyloriは耐性菌であるともいわれているようですがそれについてもご教示下さい.(愛知県・K生) 

 
A

1.はじめに

 Helicobacter pylori(以下H. pylori)が胃炎,胃・十二指腸潰瘍や胃癌の原因菌であることが証明されたことにより1),これら疾患の治療や予防としてH. pyloriの除菌治療が行われるようになった.除菌治療の対象はH. pylori感染が証明された症例であり,その証明法として迅速ウレアーゼ試験,培養法,鏡検法,尿素呼気試験,抗体測定法が2000(平成12)年に保険適用となった.除菌後の評価としてもこれらの検査が行われている.鏡検法とは,胃内視鏡検査にて採取された胃粘膜組織を病理標本とし,光学顕微鏡下でH. pyloriの菌体を判定する検査法である.利点としては病理検査室を有するすべての施設で行うことができ,同時に胃粘膜の組織診断や後日の再検討が可能であることである.欠点としては組織内での病原微生物の識別には検査医の熟練が必要で,かつ形態的に他の細菌や真菌と鑑別しなければならないことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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