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今月の主題 漢方医学と臨床検査 総説
漢方薬と免疫マーカー
著者: 前田長正1
所属機関: 1高知医科大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.353 - P.361
文献購入ページに移動〔SUMMARY〕 末梢血単核球(PBMC)中の単球/T細胞の比率とCTL活性の関連性について検討し,免疫能の指標となる新しい臨床マーカーを開発した.単球マーカーにCD11b,T細胞マーカーにCD3を用い,フローサイトメトリーで両者の比を測定し,M/T ratioとした.M/T ratioは,CTL活性と負の相関にあった.M/T ratioは,再発群の79.1%が経過中1.0以上に上昇し,1.0以上となる時期は腫瘍マーカー上昇時期より3.4か月前であった.M/T ratioは宿主免疫能の指標または再発の早期予知に有用なマーカーと考えられた.このM/T ratioを指標として,抗腫瘍免疫能を誘導する漢方(十全大補湯:TJ-48)の免疫特性を検討した.In vitroおよびin vivoにおいてTJ-48はCD11b陽性細胞を低下させ,M/T ratioを有意に低下させた.TJ -48の投与により,in vitro,in vivoでCTLの誘導が可能となり,adoptive immunotherapyの補強や,tumor dormancyとしての免疫療法として,また再発予防の点からも有用と考えられる.
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