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NKT細胞の特徴と感染防御における役割

著者: 松本哲哉1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.429 - P.433

 1. はじめに

 NKT細胞という名前になじみのない方も多いかと思われるが,この細胞は,最近様々な領域で関心を集めている免疫系の細胞である.その名前からもわかるように,NKT細胞はNK(ナチュラルキラー)細胞とT細胞の両方の性格を有するユニークなリンパ球である.この細胞は末梢血や脾臓などの免疫系組織中には稀にしか存在せず,当初はその機能についてもあまり知られることはなかった.しかし近年の様々な研究によって,肝臓や骨髄ではT細胞の半数に達するくらい豊富に存在していることがわかり,悪性腫瘍,自己免疫,および感染症など幅広い分野で,NKT細胞が少なからず関与していることが明らかとなってきた.本稿では,新たなリンパ球として注目を集めているNKT細胞の主な特徴について触れ,さらに感染防御におけるこの細胞の役割について解説する.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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