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今月の主題 プロテアーゼ,プロテアーゼインヒビター 話題
日本人のα1-アンチトリプシン欠損症
著者: 笠木聡1 瀬山邦明1 福地義之助1
所属機関: 1順天堂大学医学部呼吸器内科
ページ範囲:P.894 - P.898
文献購入ページに移動α1 -アンチトリプシン(α1 -AT)欠損症は,若年で慢性閉塞性肺疾患(COPD)を生じる常染色体劣性の遺伝性疾患である.欧米白人では約3,000~6,000人に1人という高い頻度で認められているが,わが国ではわずか19家系が報告されているにすぎない.α1 -AT欠損症によるCOPDは欧米でさえ全COPD患者の約1~2%にすぎないが,その肺胞破壊を生じる分子生物学的,生化学的メカニズムを理解することは,α1 -AT濃度正常の一般高齢者におけるCOPD発症機序を考察するうえで重要である.本稿では,わが国における報告例の分析について述べる.
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