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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻8号

2003年08月発行

文献概要

今月の主題 プロテアーゼ,プロテアーゼインヒビター 話題

脳アミロイドアンギオパチーとシスタチンC

著者: 山田正仁1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科脳病態医学講座 脳老化・神経病態学(神経内科学)

ページ範囲:P.899 - P.902

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I. 脳アミロイドアンギオパチー(CAA)とは?

 アミロイドは病理学的にはコンゴレッド染色陽性で,偏光顕微鏡で緑色偏光を呈し,電顕的に細線維構造を呈する物質として定義され,βシート構造に富む様々な蛋白がアミロイドとして全身性に,あるいは臓器に限局して沈着し障害を引き起こす(アミロイドーシス).

 脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy;CAA)は脳血管へのアミロイド沈着症であり,高齢者やアルツハイマー病(アルツハイマー型痴呆)患者でしばしば認められる.軽度のCAAを有する例まで含めると高齢者の約半数はCAAを有しており,非常に一般的な病態である.軽度のCAAは臨床症状と直接は関連しないが,高度なCAAは脳血管障害(脳出血,白質脳症,血管性痴呆など)の原因となる.しかし,現状をみると,剖検でやっとCAAの診断がつく場合も多く,治療法も確立していない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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