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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻8号

2003年08月発行

文献概要

研究

Bacillus Alkaline Proteaseを用いたホルマリン固定臓器の廃棄処理装置

著者: 小林忠男1 植田正己1 西野俊博1 村松美津江1 森谷鈴子1 加藤進2 野澤康平3

所属機関: 1済生会滋賀県病院病理科 2三洋電機バイオメディカ株式会社 3三洋電機株式会社エコ・エネシステム技術開発センタービジネスユニット

ページ範囲:P.941 - P.945

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〔SUMMARY〕ホルマリン固定臓器の廃棄を目的として,臓器処理装置の開発を企てた.脱ホルマリン処理された固定組織は酵素(Bacillus Alkaline Protease:耐熱性アルカリプロテアーゼ)とともに組織分解減容装置(Pathological Waste Converter;PWC)に投入し約20時間後分解物を取り出した.1回に使用した固定組織は食肉用豚肉(心臓,肝臓,子宮)5.3~5.7kgで分解工程は以下のとおりである.まずホルマリン固定組織を補助材である木チップ,水酸化カルシウム,水道水と併せて投入,脱ホルマリン処理後(60℃,4時間)酵素処理として耐熱性蛋白分解酵素を投入し(60℃,6時間),乾燥処理(60℃,10時間)を行った.最終処理物は2.2~2.4kgで減量率は39~44%であった.また,最終分解物は何れも肥沃土状から顆粒状を示し良好に処理されていた.この結果より本装置は病理検査などにかかわる臓器廃棄の減量化に向けて有効な方法を提供すると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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