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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻1号

2004年01月発行

文献概要

トピックス

新たな摂食調節ペプチドグレリン

著者: 伊達紫1

所属機関: 1宮崎大学医学部第3内科

ページ範囲:P.100 - P.103

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 1.はじめに

 摂食は,中枢と末梢で産生される摂食亢進物質と抑制物質の複雑な相互作用により,巧妙かつ精巧に調節されている.近年の分子生物学やペプチド化学の急速な進歩により,エネルギー代謝調節に関与する多くの神経ペプチドが単離・同定され,物質レベルでの摂食調節機構が明らかにされつつある.1999年,国立循環器病センターの児島,寒川らは,オーファン受容体GHS-R(growth hormone secretagogue receptor,成長ホルモン分泌促進因子受容体)の内在性リガンドである新規ペプチドホルモン グレリンをヒトとラットの胃から発見し,構造を決定した1).グレリンは成長ホルモン分泌促進作用のみならず強力な摂食促進作用をもち2),絶食によりその分泌が促進されることから,空腹信号として機能していることが推測される.本稿では,グレリン産生細胞の分布と摂食調節作用および胃から脳へのグレリン情報伝達機構を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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