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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 1章 動脈硬化の発症メカニズム

3. 動脈硬化の成り立ち

著者: 北徹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科内科系内科学講座循環器内科学

ページ範囲:P.1195 - P.1199

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はじめに

 生活習慣の欧米化に伴い,動物性脂肪を中心としたエネルギー摂取過多・運動不足に因るエネルギー消費不足により惹起される内臓脂肪蓄積を上流としたメタボリック症候群(高血圧,耐糖能異常,高脂血症,インスリン抵抗性などを主症状とする)が増加の一途をたどり,ひいては粥状動脈硬化を引き起こすことが明らかにされ,臨床上解決すべき大きな命題となってきた.

 一方,粥状動脈硬化研究成果は,ウサギ,イヌ,ブタ,サルなどに高コレステロール食を与えることにより病理学的にコレステロールと粥状動脈硬化の関係を明らかにされ,ヒトにおいても,低比重リポ蛋白(LDL)の受け皿であるLDL受容体の遺伝子異常によりもたらされる家族性高コレステロール血症(FH)が,高LDL-コレステロール血症と早発性粥状動脈硬化に基づく心筋梗塞症を引き起こすことから,その関係がヒトでも明らかにされてきた.高LDL-コレステロール血症がもたらす,早発性動脈硬化の機序を基礎に,今後,メタボリック症候群がいかなるメカニズムで粥状動脈硬化を引き起こすかが明らかにされるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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