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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 2章 主要冠疾患危険因子の診断基準と臨床検査値

2. 高脂血症―診断基準と臨床検査

著者: 末廣正1

所属機関: 1高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科学

ページ範囲:P.1221 - P.1226

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はじめに

 わが国のライフスタイルは急速に変遷しつつあり,食生活の欧米化とともに身体活動の低下が進んでいる.一方では,高齢社会時代となり,今後は高齢者が増加し続ける.これらのことから,将来,冠動脈疾患(coronary heart disease;CHD)をはじめとした動脈硬化性疾患の絶対数が増加することは明らかであり,その予防がますます重要になってきている.

 CHDは種々の危険因子をもとに発生してくるが,そのうち最も重要な危険因子の1つがLDLコレステロール(LDL-C)である.日本動脈硬化学会は1987年に高脂血症の診断基準値を提案し,1997年には「高脂血症診療ガイドライン」を発表した1).このガイドラインでは高コレステロール血症に対して診断基準,治療開始基準,治療目標値が設定され(表1),わが国の診療の場に広く浸透し,多くの臨床医に利用されてきた.しかし,治療に関しては,CHDの合併はないが高コレステロール血症以外の危険因子を1個以上有する患者(カテゴリーB)はすべて同じ扱いであり,一人ひとりの患者に沿った管理目標を求めるには必ずしも適したものでなかった.その後,わが国独自のエビデンスも徐々に集積されるようになり,また,CHDのリスクとしてマルチプルリスクファクター症候群(メタボリック症候群)が注目されるようになった.このような状況で日本動脈硬化学会は,日本のデータを中心に検討を重ね,2002年に「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」2)を発表した.本ガイドラインも臨床の場において,徐々に活用されるようになってきている.本稿では本ガイドラインの基準,管理目標を中心に,高脂血症の診断とその検査について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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