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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子

1. レムナントとsmall dense LDL

著者: 平野勉1

所属機関: 1昭和大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1257 - P.1262

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はじめに

 低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールが動脈硬化,とりわけ冠動脈疾患(CHD)の最も重要なリスクファクターであることは大規模な疫学調査や薬剤の介入試験によって明らかとなっているが,最近レムナントとsmall dense LDL(sdLDL)が新しいCHDのリスクファクターとして注目されている.レムナントやsdLDL TG(トリグリセリド)の増加を規定する最も強い因子は血清TG濃度である.コレステロールとは異なりTGは食事の影響を強く受ける.食後の増加が著しい場合は食後高脂血症といわれ,CHDの危険因子とされる.食後高脂血症にもレムナントの増加,LDLの小型化が深く関与する.TG代謝はインスリンの影響を受けるが,レムナントの増加,LDLの小型化も同様である.インスリン抵抗性を示す肥満や2型糖尿病ではレムナントやsdLDLが増加する.本論文ではレムナントとsdLDLの代謝,測定法,測定意義につき概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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