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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子

2. Lp(a)

著者: 一瀬白帝1

所属機関: 1山形大学医学部器官病態統御学講座血液・循環分子病態学分野

ページ範囲:P.1263 - P.1270

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Lp(a)とアポ(a)

 脂肪は単独では血液に溶けないので,脂質粒子はアポリポプロテインに周囲を包まれて血中に存在する.したがって,高脂血症と高リポプロテイン血症は,ほぼ同じ意味である.「悪玉脂肪」である低密度リポプロテイン(LDL)では,親水性のアポリポプロテインB-100が疎水性である脂質粒子の外側を覆っている.リポプロテイン(a)[Lp(a)]は,さらにLDLのアポB-100と高分子糖蛋白質アポリポプロテイン(a)[アポ(a)]がジスルフィド(S-S)結合した脂質粒子である(図1).血中Lp(a)濃度は優性遺伝し,一般人の1/4~1/3では高値で,独立した動脈硬化/血栓症の危険因子であることから,近年特に注目されている.

 アポ(a)はヒトや旧大陸の霊長類(とヨーロッパハリネズミ)のみに存在することや,Lp(a)の血中濃度に個人間のみならず人種間でもかなりばらつきがみられることが特徴である(黒人が白人,黄色人種に比べて高い).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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