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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子

4. 酸化LDLの測定法と診断価値

著者: 木下誠1

所属機関: 1帝京大学医学部内科学

ページ範囲:P.1277 - P.1283

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はじめに

 粥状動脈硬化症の形成には,血管内皮下に蓄積した泡沫細胞が重要な役割を果たしていることが知られている.泡沫細胞は,マクロファージや血管内膜の平滑筋細胞に低比重リポ蛋白(LDL)に由来するコレステロールエステル(CE)が過剰に蓄積して形成されると考えられている.しかしマクロファージにはLDLを取り込むLDL受容体がほとんど存在しないことや,平滑筋細胞に存在するLDL受容体は細胞内のコレステロール含量が増加すると発現が抑制されることが知られていたため,これらの細胞にコレステロールが過剰に蓄積する機構は明らかでなかった.

 そこでこれらの細胞にコレステロールが過剰に蓄積する機構として提唱されたのが,変性したLDLがスカベンジャー受容体を介して取り込まれる機構である.人為的にアセチル化したLDLがマクロファージを泡沫化する事実1,2)が報告されて以来,種々の変性LDLの存在が提唱されてきた.現在,生体内で存在すると考えられている変性LDLが酸化LDLである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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