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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子

9. インスリン抵抗性指標

著者: 浦信行1 茂庭仁人1

所属機関: 1札幌医科大学医学部第二内科

ページ範囲:P.1313 - P.1318

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はじめに

 高血圧(HT),糖尿病(DM),高脂血症,肥満は相互に合併しやすく,これらがメタボリック症候群を形成して虚血性心疾患をはじめとする動脈硬化性疾患の発症・進展に関与することは多くの疫学的研究であきらかにされている.近年,これらに共通する遺伝的背景因子としてインスリン抵抗性(IR)の存在があきらかとなった.IRは2型DMの基本病態であるが,これが種々の機序を介してHTなどを発症・増悪させる.日常臨床でこれらの疾患に遭遇する機会は多く,したがって,その病態や治療効果判定の点からもIRを評価することは,意義のあることと考えられる.そして,最近ではIR自身が動脈硬化の独立した危険因子である可能性も注目されている.本稿ではIRの評価法,IR/高インスリン血症の疾患発症の機序と,動脈硬化・臓器障害との関連について概説したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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