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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子

11. 凝固線溶系因子

著者: 丸山征郎1

所属機関: 1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科先進治療科学専攻血管代謝病態解析学

ページ範囲:P.1325 - P.1328

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はじめに

 凝固線溶系,血小板系と動脈硬化の接点は,次の諸点から重要である.このうち血小板系に関しては別項に譲り,本稿では凝固線溶系について述べる.

 まず第1点は,凝固線溶系が動脈硬化のリスクファクター/促進因子となるという視点である.凝固線溶系活性化の結果,生じた活性型X因子(FXa),トロンビンも動脈硬化の促進因子となり,トロンビン生成の結果,生じた血栓もまた動脈硬化を促進する.

 第2点は,凝固線溶系が動脈硬化の最大の合併症である血栓塞栓症の直接的な引き金となる,という視点,すなわち凝固線溶系が動脈硬化における血栓塞栓症のリスクファクターでもある,という視点である.そして,

 第3点として,凝固線溶系が動脈硬化/血栓塞栓症の診断・治療のマーカーともなりうるという視点である.しかしこれらは生体内ではお互いに密に連関しているため,上のおのおのに分けて論ずるよりも,これらはトータルにみたほうがよりわかりやすいので,ここではこれらを交じえつつ論ずることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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