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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 3章 より繊細な診療を求めて―これからの冠疾患危険因子

13. 感染因子

著者: 安藤秀二1 岸本寿男1

所属機関: 1国立感染症研究所ウイルス第1部第5室

ページ範囲:P.1337 - P.1342

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はじめに

 動脈硬化症や心血管疾患の患者の約40%が,高血圧,高脂血症,肥満,糖尿病,喫煙などの動脈硬化に関する古典的危険因子をもたないことが知られている.1993年,RossはNature誌に傷害反応説を提唱した1).特に,Rossは1999年「アテローム性動脈硬化症は炎症疾患である」とし,慢性炎症や炎症の繰り返しが動脈硬化症を惹起,進展させていると指摘したことから2),古典的動脈硬化危険因子以外の炎症性病原因子として感染因子が注目された.これまでにChlamydia(Chlamydophila) pneumoniae(以下C. pneumoniae),サイトメガロウイルス(CMV),単純ヘルペスウイルス(HSV),Helicobactor pyloriなどをはじめとする慢性感染,持続感染を起こす病原体を中心に動脈硬化との関連が検討されてきている.そのなかでもC. pneumoniaeと動脈硬化に関する研究は,最も多くの知見が蓄積されているといってよい.本稿では,主にC. pneumoniaeを取り上げ,感染因子の動脈硬化症への関連性について考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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