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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 4章 動脈硬化性疾患発症の臨床検査値異常

1. 心筋梗塞の臨床検査値異常

著者: 小島貴彦1 代田浩之1

所属機関: 1順天堂大学医学部循環器内科

ページ範囲:P.1351 - P.1357

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はじめに

 急性心筋梗塞(acute myocardial infarction;AMI)の概念・診断そして治療法は,過去20年間に大きな変化を遂げた.1992年に急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)という概念が提唱され1),その病態は不安定プラークの破裂と血栓形成であり,不安定狭心症(unstable angina;UAP)とともにAMIがこの概念に包括された.ACSとは,脂質に富む皮膜の薄い不安定プラークが,ストレスや炎症などを機転として破綻し,その周囲に血栓が形成され,急激に血管内腔が閉塞をきたすことにより心筋の高度な虚血・壊死をきたす症候群である.その病態から,UAP,AMI(非ST上昇型,ST上昇型),心臓突然死に分類されるが,その診療においては,いかに早く診断し,病態に応じた治療方針を決定するかが重要である.最近開発された心筋トロポニンなどの新しい心筋生化学マーカーは,そのための有力な検査法である.

 本稿では,ACSの病態とその診断に不可欠な心筋生化学マーカーの特徴を概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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