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雑誌詳細

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 5章 動脈硬化性疾患の画像検査

1. 頸動脈エコー

著者: 半田伸夫1

所属機関: 1半田医院

ページ範囲:P.1385 - P.1396

頸動脈エコーとは

 頸動脈エコー(頸部血管超音波検査のこと.一般的には頸部エコーと呼ばれるが,内容的には頸動脈エコー検査を指す)は,血管超音波検査の1つで,主に頸動脈の動脈硬化性病変を調べる検査法である.血管超音波検査(血管エコー検査)は断層画像をとることができるため,血管壁内の状態,血管表面の状態,血管内腔の状態を見ることができ,動脈硬化を視覚的にとらえ非侵襲的に診断できる方法である.検査可能な表在動脈のうち頸動脈病変は➀評価が容易,➁動脈硬化性疾患のうち脳血管障害と直接的に関係する,➂冠動脈疾患と関係が深いこと,などから欧米を中心として動脈硬化診断として汎用されている.実際,WHOの高血圧性臓器障害の診断に血管エコー検査(頸動脈,大腿動脈)が採用されている.また,わが国でも生活習慣病対策の一環として高血圧,糖尿病,高脂血症,肥満を有する人やその前段階と考えられる人に対して労災保険における二次健康診断給付事業が行われていて,その動脈硬化判定に頸動脈エコー検査が取り上げられている.評価の方法などは,日本脳神経超音波学会のガイドライン作成委員会と厚生労働省循環器病研究委託費「動脈硬化性疾患のスクリーニング法」に関する研究班が共同でまとめた「頸動脈エコーによる動脈硬化性病変評価のガイドライン(案)」がある.今回はその内容を中心として解説する1)

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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