臨床検査48巻11号

2004年10月発行

特集 動脈硬化－その成り立ちと臨床検査 ５章　動脈硬化性疾患の画像検査

4. 血管内エコー(IVUS)

著者： 矢嶋純二¹ 斎藤頴²

所属機関： ¹心臓血管研究所附属病院循環器科 ²日本大学医学部先端医学講座

ページ範囲：P.1411 - P.1420

はじめに

　血管内エコー法(IVUS)は，非観血的なCTやMRIなどとは異なり，血管内腔および血管壁の性状や形態を直接観察する観血的診断方法である．本法は動脈硬化病変の定量的・質的評価が可能であることから，冠動脈形成術の治療法の選択やエンドポイントの決定，さらには虚血性心疾患の病態の解明など，幅広く応用されている．現在では，新しいデバイスに対する大規模臨床試験において不可欠な評価法として利用されるに至っている．本稿ではこのIVUSについて，基礎原理から実際の臨床まで詳述する．