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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 6章 動脈硬化性疾患の生理学的検査

2. 脈波速度(PWV)

著者: 小路裕1 冨山博史1 山科章1

所属機関: 1東京医科大学第二内科

ページ範囲:P.1437 - P.1446

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はじめに

 心血管疾患の増加は高齢化社会を迎えたわが国の重大な問題であり,その主原因である動脈硬化を早期の段階で適切に評価することは重要な課題である.

 動脈硬化は日本語では単に動脈が硬くなると書くが,正確にはatherosclerosisであり,内膜に起こる粥腫形成(atherosis)とおもに中膜に起こる動脈壁硬化(sclerosis)の両者が存在する.動脈硬化は,まず内皮の機能障害が起こり,それに引き続いて内膜および中膜に変化を生ずるが,粥腫(プラーク)破綻(plaque rupture)をきっかけとする血栓性閉塞が急性冠症候群の本態として紹介されて以来,atherosisが注目されている.しかしながら,中膜に生ずる変化も動脈壁硬化(arterial stiffness)あるいは動脈コンプライアンス低下を生じ,臨床的に重要である.本稿では,動脈コンプライアンスの指標として重要な脈波速度(pulse wave velocity;PWV)について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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