文献詳細
文献概要
特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査 7章 動脈硬化関連遺伝子―どこまで解明されたか
1. 高血圧関連遺伝子
著者: 柳内和幸1 加藤規弘1
所属機関: 1国立国際医療センター遺伝子診断治療開発研究部
ページ範囲:P.1461 - P.1465
文献購入ページに移動はじめに
高血圧は心血管系障害の最大のリスクファクターであり,世界中では約10億人と推定される高血圧罹患者のうち,心疾患や脳卒中を発症して死亡する者は年間で700万人を超える.したがって,その予防と治療に向けた遺伝素因の解明は重要な課題である.これまでに,罹患頻度の低いメンデル型遺伝様式を示す高血圧性疾患(いわゆる二次性高血圧)については,原因遺伝子が次々と見つかり,特定の遺伝子変異による簡明な病態メカニズムであることがわかってきた.一方,本態性高血圧は,環境要因と複数の遺伝子とが複雑に相互作用して発症する多因子疾患であり,いまだ素因遺伝子として確定的なものは報告されていない.本稿では,本態性高血圧の遺伝子解析研究におけるこれまでの成果を概説したい.
高血圧は心血管系障害の最大のリスクファクターであり,世界中では約10億人と推定される高血圧罹患者のうち,心疾患や脳卒中を発症して死亡する者は年間で700万人を超える.したがって,その予防と治療に向けた遺伝素因の解明は重要な課題である.これまでに,罹患頻度の低いメンデル型遺伝様式を示す高血圧性疾患(いわゆる二次性高血圧)については,原因遺伝子が次々と見つかり,特定の遺伝子変異による簡明な病態メカニズムであることがわかってきた.一方,本態性高血圧は,環境要因と複数の遺伝子とが複雑に相互作用して発症する多因子疾患であり,いまだ素因遺伝子として確定的なものは報告されていない.本稿では,本態性高血圧の遺伝子解析研究におけるこれまでの成果を概説したい.
掲載誌情報